沈黙の森

#怒りの軽井沢


▼沈黙の森 / 馳星周(Kindle版)

読むべき新刊を読み終えたため、馳星周強化月間シーズン2開始。
調べてみると馳著作にはKindle Unlimited扱いになっている作品が数作
あり、まずはそこを攻めてみよう、と決意。その中でもいちばんおとな
しそうなタイトルの、この作品を選んでみた。

・・・一個もおとなしくありませんでした(^^;)。
いや、正確に言うと中盤まではじっくりとしたストーリーで読ませるタ
イプのハードボイルド系ミステリーの風合いがあったのだが、ソレ以降
はもうダダダダっと人が死んで行く様を見せつけられてしまう。

その中軸に居るのが主人公、現在は軽井沢別荘の管理業を細々とこな
す中年だが、その正体は歌舞伎町の元ヤクザにして最凶の殺人マシーン
思わぬことから平穏を破られた上に、大事な人を傷つけられたことをキ
ッカケに暴走を始めてしまう。

おおまかな内容は正しく映画「ランボー」。スタローンが演じたアレ
和風(?)にアレンジし、極道の世界をアダプトして完成させた作品、
と言っても、大枠で間違いでは無い。

興味深いのは、この作品でも「犬」が大活躍するところ。人がバタバタ
死ぬ作品の中でも作者の犬に対する愛情が垣間見えるのが、唯一微笑ま
しいところだった。

・・・さすがに万人にオススメするタイプの作品では無いなぁ(^^;)。
とはいえ、ガチガチのハードボイルド好きにはたまらない世界観なので、
その手の作品が好きな人は是非。

日本懐かし文房具大全

#分度器の立場


▼日本懐かし文房具大全 / きだてたく

「懐かしシリーズ」、今のところラストツーのうち1本。
題材は「文具」。それも、昭和の頃に小学生だった我々世代が、間違い
なく使用していた学童文具を、これでもか!という熱量で紹介している。

どれを観ても使った記憶がまざまざと蘇る、というのがまず凄い。
僕のライフワークとも言える鉛筆ビンテージ写真は眺めているだけで
時間の経過を忘れるし、本来の目的では使用出来なかったスーパーカー
消しゴムからは強烈なノスタルジーを感じる。昭和50年までに生まれた
人たちなら、同じ感覚を持つに違いない、と断言できる。

思ったよりも刺さったのは、「つくる」カテゴリのカッター系の特集。
今や全く見掛けなくなったボンナイフは全員の筆箱に入っていたし、そ
れでとんでもない血を流したことも、おそらくみんなの共通項。僕らよ
り前の世代になると、肥後守がそれに当たると思うのだが、多分今は使
用が許されない。普通にナイフだからなぁ(^^;)。

他にもジャポニカ学習帳の表紙一覧など、興味深い特集ページが多々。
懐かしシリーズはどれも非常におもしろいのだが、この作品はその中で
長時間の読書を余儀なくされた。

僕は今でも文房具を多めに持ち歩くから、倍は楽しめた気がする。
そうでない人もきっと懐かしさを感じる筈なので、興味のある人は是非
ご一読を。おもしろいぞ、コレ♪

TURN

#時をかける新人 #死体ビジネス


▼TURN 東京駅おもてうら交番・堀北恵平 / 内藤了(Kindle版)

内藤了東京駅おもてうら交番・堀北恵平シリーズ、気付いたらもう第四弾
相変わらず研修中のヒロイン、新人女性警察官堀北恵平(ケッペー)ちゃ
の研修先は、生活安全課に部署を移している。

パトロール中、急な生理で動けなくなった中学生少女を助け、一瞬の充実感
に浸るケッペーちゃんだが、数時間後に同行していた友人から、助けた少女
が出血多量で死亡した事実と、彼女が違法な経口中絶薬を服用していた、と
いう事実を知る。一方その頃、東京駅付近の工事現場男性の死体が発見さ
れて・・・という内容。

前作でお得意の猟奇方向に舵を切ったこのシリーズだが、今回の事件もやた
非道い今の時代にあり得るのか?という種類の事件だが、そこに妙なリ
アリティを持ってくるのが今の内藤了の凄さ。そして圧倒的な透明感を醸し
出し始めたケッペーちゃんが本当に魅力的になってきた。

もちろん今回も謎の警官・柏村は登場するのだが、その柏村の存在感を大き
く上回る藤堂比奈子シリーズのあの人が、ケレン味たっぷりに登場。もしか
したら次回以降レギュラーとなる可能性もあるので、ファンならその辺りも
注目しておいた方がいい。

次作は春リリース。このご時世なのに、きっちりスケジュールを遵守してい
る内藤了、尊敬します! もちろん次作にも期待!

日本昭和珍スポット大全

#秘宝館


▼日本昭和珍スポット大全 / 金原みわ

「懐かしシリーズ」も残り2本。今回の題材はかなりキャッチー
なぜなら、日本国内に点在する「珍スポット」に、文字通りスポットを
当てているのだから!いやもう、大好物です、こういうの(^^;)。

大まかな題材としては【テーマパーク】【観光地】【喫茶・食堂】
【宿・温泉】【歓楽街】。このように並べると至って普通なのだけど、
扱われている題材はある種イッちゃってるモノ(^^;)ばかり。特にテーマ
パークの章では、その題材のテキトーさに連続で脱力することになる。

この本の著者はそれなりにキュートな女性。作中では惜しげも無く顔を
さらすし、昆虫食を口に運び、とんでもない下ネタをキッチリレポート
している。つまりこの人もちょっとイッちゃってる人(^^;)なのは明白。
そういう人でなければ、ここまであからさまにオカシイスポットの集大
を作成することは出来ない、と断言する。

コロナ禍の今、珍スポットに人は集まっているのか?
もしかしたら今は人もまばらかもしれないが、こういうところは人が
何人か居てナンボ。コレが落ち着いたら、この本に載ってる場所を片
っ端から訪問してみたい気がする。まずは浅草地下街からか・・・。

日本懐かしオカルト大全

#ムー #トワイライトゾーン


▼日本懐かしオカルト大全 / 寺井広樹・白神じゅりこ(著)
並木伸一郎 (監修)

今日の「懐かしシリーズ」、題材は「オカルト」
僕らの子どもの頃は心霊・超能力・怪奇現象といった各種のオカルト系
テレビ番組が多々オンエアされていた時代。考えてみたらそういうのが
成立していること自体が凄いこと。なんつったって、今はもう殆どそう
いう番組は存在しないんだから(^^;)。

内容は幾つかのカテゴリに別れているのだが、僕の場合【UFO・宇宙人】
とか【予言】【超能力】にほぼ興味は無い。代わりに思いっきり刺さ
ったのが【UMA】【都市伝説】。特にUMAに対する興味は、幼少期か
ら今に至るまで、テンションは殆ど変わらない。

ネッシー雪男ビッグフットにも夢中になったが、子どもの頃の僕の
心を鷲掴みにしたのは、比婆山脈に実在する、と言われていたヒバゴン
地元の小学生銀玉鉄砲で撃退した、という記事を読んだ時は本当に興
奮したし、なんなら親に広島旅行をねだったほど。もちろん連れて行っ
てはくれなかったけど(^^;)。

そんな、オカルトがオカルトとして黙認されていた時代がまざまざと蘇
る快作。熱心な元ムー&トワイライトゾーン読者としては、オススメせ
ざるを得ない「記録集」中岡俊哉心霊写真と、フォックス三姉妹
ラップ現象にも注目!!