柚月裕子のデビュー作の下巻。
上巻のレビューで書いた通り、前段を越えたところから怒濤の展開となる。
「悪い予感しかしない」と書いたのだが、それはもう大当たりだった(^^;)。
とにかく犯罪の内容が酷すぎる(^^;)。
徹底したイヤミスが大好物な僕だが、生理的に受け付けない・・・というか、
どうしても触れないで済ませたい世界、というのが一応ある。
内容について詳細を書くことは避けるが、雰囲気的には1988年・野島伸司
脚本の大問題になったテレビドラマ「聖者の行進」に近い。あそこまで極端
では無いし、ただいたずらに読者を煽るような表現が出てくるワケでも無い
が、それでも途中で読むのが辛くなった(^^;)。こういうのはなぁ・・・。
そして最近の著作と比較すると、やはり全ての面で迫力不足かもしれない。
つまり、柚月裕子が作家として順調に進化している証拠でもあると思う。
だから、ある程度今の柚月裕子を読み込み、そのルーツを知りたくなった
人は押さえておいて損は無い。出来れば上下巻合本の電子書籍にしてくれる
ともう少し気楽に手が出せるんだけどなぁ・・・。