連続殺人鬼カエル男ふたたび

#忘却の彼方


▼連続殺人鬼カエル男ふたたび / 中山七里

中山七里初期の名作「連続殺人鬼カエル男」続編
僕が中山七里にハマり始めた頃に読んだ作品であり、ファンの間では未だに
No.1と推す人の多い前作。当然期待して読んだのだが・・・。

・・・え〜、忘れてます、前作の内容を(^^;)。
とにかく序盤から前作を引き摺る事件が多々起こり、その度に「あれ、こん
なことってあったっけ?」とか「え?コイツって誰だっけ?」みたいな疑問
がいくつも沸いて出てくるのだから、非常に始末が悪い。さすがに途中で読
むのを中断し、前作をおさらいするべきだった、と自分でも思うのだが、そ
んな中途半端な状態でも先が気になる奥深さ偉大な作家だよな、やっぱり。

ということでひとまず読了してしまったのだが、端的に言うのであればコレ
中山七里版のオールスター戦。他作品で何度も登場する重鎮たちが最高の
タイミングで登場し、深い言葉を吐いていくのだから、中止しようにも中止
出来ない、という呆れる程の完成度。もちろん「帝王」と形容される氏の得
意技、「どんでん返し」も冴え渡っており、前作が未読の人でもそれなりの
満足感が得られてしまいそうなのが凄い。

・・・とはいえ、やっぱり前作を読んでいない人、それから前作を読んでいる
にも関わらず忘れてしまっている人(^^;)に関しては、やはり事の始まり
あるオリジナルカエル男を読むべき。そうすれば誰もが恐ろしいまでの悪意
満腹になりそうな気がする。

予断だが、この作品は久々に購入した「文庫本」
出来る限り電子書籍キャンペーンを張っている僕だが、さすがにこのタイト
ルの本を放っておくことは出来なかった。

げに恐るべしカエル男。どんでん返しの帝王・中山七里に栄光あれ!

BIG IN JAPAN

#ディスコ #フィーバー


こないだちょっと書いた件
70年代後半から80年代前半にかけて、日本で一大ブームとなった「ディスコ」
それより古い言い方をすれば「ダンスホール」であり、起源はジョン・トラボ
ルタ主演の映画「サタデー・ナイト・フィーバー」とされている。

この頃、もちろん僕はディスコに行けるような年齢ではなかったのだが、ディ
スコでかかっている曲に関しては何故だか多々聴いた。その中には摩訶不思議
なモノが多々あり。なんつっても代表的なのが↓↓コレ。

後にモー娘。がこの曲のリズムをパクったことで有名な「ジンギスカン」
ちなみにアーティスト名ジンギスカン(^^;)。
正直、こないだまでこの曲のビデオを観たことがなかった(^^;)のだが、とに
かく突っ込みどころ満載いちばん目立ってるヤツが一切歌わない、という
斬新な編成は、後のストーン・ローゼスに多大な影響を与えた・・・ワケない
と思う(^^;)。

驚くことにジンギスカン、なんと一発屋では無かった、という恐ろしい事実
2枚目のシングル↑↑「めざせモスクワ」もちょっとヒットしちゃったのだか
ら、当時のディスコシーンが如何におかしかったのかがよく解る。
ダンス専業のヤツはともかく、ボーカルメンバーダンスのレベルにもぜひ
注目して欲しい。

よく一緒にされるのが↑↑、ボニーM「怪僧ラスプーチン」
こちらは今聴いたらそれなりに本格的な音楽でビックリしたのだが、邦題の
付け方で一緒くたにされた感じで、ちょっと気の毒(^^;)。

あと、↑↑こういう曲もあった。
昔のディスコって凄いよね、マジで(^^;)。90年代のディスコ系の100倍は
価値あると思うな、本当に。

ちなみに当時のディスコソング、殆どが「日本でしか流行っていない」曲だ
ったらしい(^^;)。ディスコじゃないけど、クイーン「BIG IN JAPAN」
か言われてたんだよなぁ、そういえば・・・。

2019・G1 at 広島・広島サンプラザホール

#G1 #広島サンプラザホール #一強


新日本プロレス「G1 CLIMAX 29」広島・広島サンプラザ大会
今日から地方巡業、一発目は広島。イマイチ盛り上がりに欠けるBブロック、し
かも平日。果たして客は来るのか?というのは全然余計なお世話(^^;)。今日も
しっかり満員に近い観客を集めているのはさすが。

まずはメイン、内藤哲也vs石井智宏
これまでの両者の試合を考えると、鉄板の内容になってもおかしくないのだが、
2連敗から始まった内藤が「もう負けられない」状態にあったのがちょっと・・・。


もちろんいつもの通り激しい消耗戦となり、それなりにレベルの高い試合では
あったのだが、やっぱり少しピリッとしない内藤と、ここに来てやや疲れの見
える石井、という感じ。中盤から終盤にかけてはかなり見事だったのだが、こ
れまでこの組み合わせで感じた「緊張感」にはやっぱり欠けていたかも。

試合は内藤が勝利して両者共に2勝2敗の五分に。
しかし、内藤に勢いが付くとすれば、次戦、名古屋モクスリー戦に勝利する
ことが前提。僕の優勝候補なのだから、ココは踏ん張って欲しい。以降、全勝
にてお願いしますよ、ええ。

今日のベストバウト第七試合で行われた鷹木信悟vsジョン・モクスリー
この2人、以前はDG USAで同じユニットに属していたらしい。MOXがブレイク
したのはWWEシールドを始めてからなので、さすがにその頃の事は知らない
のだが・・・。


見事な真っ向勝負
テイストは数年前のアメリカン・インディ、EVOLVEとかCHIKARAの雰囲気。
考えてみれば現在のNXTに続くアスリートスタイルのプロレスはROHDG USA
元祖。その時代を創った二人が日本で闘う、というのがロマンだなぁ・・・。

しかし、今日も勝利したのはMOX。鷹木の強烈な攻めを受けきった上での完勝
であり、正直他のBブロックの選手たちが「勝てる!」とは到底思えない説得力
に溢れる強さ。もしかしたら、もあり得る気がしてきた。

・・・MOXのおかげで盛り上がりこそあるものの、やはりAブロックに比べると物足
りなさを感じざるを得ないBブロック。この組み合わせ、どうなんだろうか?
取り敢えずジョン・モクスリー周辺に注目だな、以降は。

※リーグ戦結果
×矢野通(2勝2敗) vs. ジュース・ロビンソン(3勝1敗) ○
○タイチ(2勝2敗)vs. 後藤洋央紀(1勝3敗)×
×鷹木信悟(2勝2敗) vs. ジョン・モクスリー(4勝)○
○ジェイ・ホワイト(1勝3敗) vs. ジェフ・コブ(1勝3敗)×
○内藤哲也(2勝2敗) vs.石井智宏(2勝2敗) ×

Manhattan Transfer

#BIRDLAND


図書館でCDを借りる、という行動がヘビーになっているのだが・・・。
ここで借りるCDは、殆どが洋楽「懐メロ」。場所柄、年代別のコンピレーシ
ョンやらビッグネームアーティストのベスト盤などが充実しており、ここで「昔
ちょっと聞いたなぁ」、というタイトルを見掛けるとすぐに借りてしまう。
基本、僕はCDは「買う派」なのだが、ネットで買うようになってからは目的の
モノしか買わなく・・・いや、買えなくなってしまったので、昔入り浸って大量に
ジャケ買いしていたレコードショップと同じことを出来るのが嬉しかったりする。

で、発見したのが↓↓このグループのベスト盤。

Manhattan Transfer
80年代に安定して人気のあった男女4人のボーカルグループで、カバー曲
選曲センスが非常に良い、実力派のグループ。↑↑コレなんて、ウェザーリポ
ートの名曲「バードランド」ボーカル曲かのように聞かせちゃうのだから、
その凄さも解ってもらえるかと。

既に亡くなっているメンバーも居るのだが、このグループ未だ活動中
昨年14年振りに新しいスタジオアルバムを出しているらしいのだが、昔のを聴
いているうちに俄然興味が沸いてきた。買っておこう、コレは。

▼THE JUNCTION / THE MANHATTAN TRANSFER

クジラアタマの王様

#本当に効果的なコラボレーションの見本


▼クジラアタマの王様 / 伊坂幸太郎

伊坂幸太郎新作
タイトル「クジラアタマの王様」とは、ペリカンの仲間である巨大な薄黒い鳥
ハシビロコウラテン語での名称を和訳したモノ。当然、物語のモチーフはこ
悪党面をした鳥。まさかあの鳥から、こんな物語が生まれるとは・・・。

伊坂フリークを自認する僕だが、この作品は本当に語るべきことが山ほどある。
いつものシニカルでカッコイイ言い回し、けっして斬新では無いのに独創的な
アイデアを加えることで全く新しいモノに思えてしまう設定、魅力的なキャラ
クターなど、伊坂幸太郎の「全て」が詰まっていることを前提とした上で、遂
恐ろしい手法を実践に移してきた。

重要なのは、普通の書籍で言うところの「挿絵」
いや、僕の感覚ではもう「サイレントマンガ」とも言える、効果絶大なイラス
トページが、場面の合間ごとに堂々と展開されていること。これまでも小説と
マンガのミックスなどは幾らでもあったのだが、文章→絵→文章→絵と続いて
行くストーリーはどちらが欠けても成立しない本当に効果のあるコラボレー
ションとは、こういう作品のことを言う気がする。

だから、この作品に関しては絶対に紙の本を買った方が良い、と断言。このと
んでもなく説得力に溢れるストーリーの神髄は、「紙」でなければ体感出来な
い、と言い切ってしまおう。

こちらでは殆どマンガのレビューを書かない僕は、小説愛好家だと思われてい
ると思うのだが、実は出版物の中で「最強」と思っているのはマンガ。その考
え方を、一部改めなければならない、とすら感じてしまった。

読了してからもう数日が経過しているのだが、久々に興奮が抜けない
あれ以来、闘いこそしないものの、誰かが何か恐ろしいモノと闘っている場面
を実況しているような夢まで見てしまう始末。

いやぁ、本当にまいりました! 文句無く、傑作
僕の中ではこれまで読んだ伊坂幸太郎作品の中で3本の指に入る。
今年のNo.1だな、いまのところ。