#犬と暮らすということ
続く馳星周強化月間、今回はノンフィクション。
既にレビュー済みの「ソウルメイトII」の大元になった(であろう)実話で、
作者自身の綴る日記が一冊の本になっている。
犬好きで知られる馳星周が、最初に自分の犬として迎えたのが、バーニー
ズマウンテンドッグの雌・マージ。この犬種にしては珍しく10年以上生き
た彼女と、ボスである馳星周の最後の3ヶ月間が描かれている。
僕が馳氏をリスペクトせざるを得ないのが、「犬を飼う」人としての条件
を最高級のレベルで満たしており、その上で心の底からの愛情を犬に注い
でいること。単純に大型犬を飼う、という行為だけでも、例えば予算的な
ハードルは相当高い。自由になるお金が潤沢にあり、ある程度時間が自由
に使え、犬のためになんでも出来る。そのくらいの位置に行かなければ、
犬を飼う資格は無いんじゃないか?と思わざるを得ない。
少なくとも、馳氏とマージが圧倒的なまでの信頼感で結ばれていたのは間
違い無い。マージは絶対に幸せだったし、その後も一貫して多数のバーニ
ーズの一生を見つめ続けている馳氏は本当に凄い人であり、憧れるべき人。
大型犬と共に暮らそう、と考えている人は、コレを読んでおくべきだ。
かなりネガティブな印象レビューになってしまったが、言いたいのはこの
作品が「犬と共に暮らすことの辛さ・厳しさ」、そして何よりも「喜び」
が伝わるすばらしいノンフィクションである、ということ。クライマック
スの生々しさには思わず目を背けてしまったが、あとがきまで含めて読了
出来、本当に良かったと思う。
幸せな犬が、無尽蔵に増えるといいなぁ・・・。