週刊プロレス・2000号!

週刊プロレス、今週売り分で創刊以来2000号を達成。
記念号は増ページ、伝説の編集長ターザン山本の誌面登場、昔の企画の
リメイクなど、古くからのファンがニヤッとする誌面構成。というワケで、
さすがに今週号は「雑誌」を購入しました。

1983年の創刊から現在に至るまで、僕は週プロを1冊も読み逃していない。
本当は「ずっと買っている」と表現したいのだが、週プロがKindle Unlimited
の対象になってから店頭購入を止めた。まぁ、Kindle Unlimitedに入ったのは
週プロをリーズナブルに読むためであり、サブスクリプションとはいえその
分のお金は払っているから、「買い続けてる」のも間違い無いが(^^;)。

通常の雑誌でも休刊・廃刊が相次ぐ中、なんとか生き残っている週プロ
これは本当に特別な雑誌で、いろんな人に買い置き配送を依頼された。
海外出張中の人なんてのは当たり前で、長期入院中の人留置中の人(^^;)
など様々。こんなパワーのある雑誌は、おそらく他には存在しない。

願わくば、僕の今際の時間最新の週プロと共にありたい。
順調にリリースされ続けられるのであれば、ペースは2年で100号。だと
すると、2500号まではギリギリ付き合えると思うんだけどなぁ・・・。

虎の回顧録

▼虎の回顧録 昭和プロレス暗黒秘史 / タイガー戸口(Kindle版)

“野生の虎”こと、タイガー戸口の自伝。
御年71歳にして未だ現役。この間のジャイアント馬場没20年追善興行
バトルロイヤルにも出場し、元気なところを魅せてくれた、昭和を代表す
るプロレスラーの一人。

以前から著書熱望されていた戸口さん。
その理由は、Gスピリッツ等の雑誌で時折見掛けるインタビュー面白さ
にある。とんでもない毒舌に加え、ややヤバめの話題でもポンポン口に出
してしまう暴露癖(^^;)。コレを思いっきり楽しむには、何かを一冊仕上
げてもらうのが一番。ということで、期待大のまま読み始めた。

・・・いやぁ、どうだろ(^^;)?
これまで読んだ各種のインタビューに比べると、やや大人しい感否めず。
お得意の「他レスラーへの悪口」も若干歯切れが悪いのは、自分史という
性質上、一つのことに文章量を割けなかったのが原因なのだと思う。

それでも、日本プロレス時代から今に至るまで現役を続け、そのキャリア
の半分を海外で過ごした豪傑の語る自らの半生は本当に面白い。自分の
を隠そうともしない姿は潔くてカッコイイし、馬場猪木ですら一刀両
してしまう口の悪さもある意味ですばらしい。プロレスとは如何なる物
、が見えてくる佳作。プロレスファンならぜひ!

『週プロ』黄金期 熱狂とその正体

▼『週プロ』黄金期 熱狂とその正体 / 俺たちのプロレス編集部

サブタイトル・・・というか、そもそも最初にアナウンスされたタイトル
「活字プロレスとは何だったのか?」

「活字プロレス」とは、80〜90年代に週刊プロレスで編集長を務めてい
ターザン山本が発した言葉。それまでのプロレス雑誌の試合リポート
試合の展開を追う文字通りの「リポート」であったのに対し、週プロに於
けるソレは記者の主観が中心。悪い言葉で言えば単なる「感想文」なのだ
が、その内容は思い入れに溢れ、読者の想像をとことんまで膨らませ
てしまう。今になって考えてみれば、麻薬のような雑誌だった。

その週刊プロレスの全盛期に活躍した編集者ライター関係者証言集
・・・まず、この段階で凄いと思う(^^;)。

もちろんプロレスラーも数名出てくるが、主役は間違いなく一介の雑誌編
集者。それを読んでいる我々は、殆どの人物の名前(と下手すれば顔も)
に覚えがある。自分も含めてのことながら、プロレスファンとはかくも恐
ろしき存在、と改めて思った。

それにしても、あの頃の週プロはまさしく「狂気の沙汰」だった。
解っていながらも毎週のように週プロを欲し、週プロに書いてあることを
確認したくて会場に何度も足を運んだ。僕も間違い無く週プロの「毒」
侵され、ヤバい、という自覚を持ちながらソレを存分に楽しんでいた。
もしかしたらUWFFMWも、ユニバーサルみちのくプロレスも、週プロ
煽りが無ければ熱狂しなかったのかもしれない。

今も週刊プロレスは存在するし、相変わらず毎週読んでいる。
でも、あそこまで熱くなる事はもうきっと無い。だって、この本に出てく
る人たちの熱は本当に「異常」であり、さすがに今の週プロにそんな人材
は居ない。よく考えてみれば、それが至極当たり前(^^;)なのだけど。

週プロは僕にとって今も「憧れ」だけど、人生がやり直せたとしてもあの
中には絶対に入れない。この本に載っている人たちはみんな言えると思う。
「選ばれし者の恍惚と不安、二つ我に有り」って。

飯塚高史引退記念大会

昨夜、後楽園ホールで行われた新日本プロレス「NEW JAPAN ROAD」
サブタイトルは“飯塚高史引退記念大会”怨念坊主こと、飯塚高史
ラストマッチである。

自らのテーマ曲で南側客席から入場した飯塚は、狂乱のまま因縁の
テレ朝・野上アナいつものように暴行。野上アナは今回も上半身裸
の実況を余儀なくされる。いつも通りに・・・。


もちろんパフォーマンスもいつも通りだったが、ちょっと違ったのは
攻防の中でビクトル式の膝十字スリーパーを魅せたこと。かつての
新日本プロレスで“ポリスマン”の役割を務めた飯塚は、この技でヤバそ
うな相手を黙らせて見せた。この段階で、僕はもう感無量。後は好き
に暴れてくれればいい、と思った。

試合終盤から号泣する天山は、ムーンサルトプレスで飯塚をフォール。
涙ながらに飯塚に握手を求め、飯塚は一瞬天山の手を握ったのだが・・・。

直後に噛みつき。でも、コレでいいんだなぁ、と思った。
かつて新日本プロレスの「強さ」を体現してくれた男の狂乱ヒール転向
には、並々ならぬ覚悟があったハズ。ここで大団円を迎えてしまったら、
飯塚の創り上げた作品がメチャクチャになる。それだけは絶対にイヤだ
ったのだろうなぁ、と。

最後は代名詞でもあるアイアンフィンガーフロムヘルで天山を一撃。
この攻撃がプロレスラー・飯塚高史の最後となった。

この後、飯塚はいつものように狂乱のまま場内を徘徊し、何も言わずに
控室に戻った。リングサイドでは盟友・鈴木みのるがゴングを乱打。
ある意味で新日本を象徴するプロレスラーは、ヒールのまま消えた
リングに残されたアイアンフィンガーが、非常に印象的だった。

あまりに見事なラストマッチ
驚いたのは、試合終了がアナウンスされたにも関わらず、客が全く帰ろ
うとせずに飯塚コールを贈っていたこと。やっぱり新日ファンは、飯塚
がどんな男だったのかを、よく解っているんだな、と思った。

飯塚高史・本名:飯塚孝之。
元IWGPタッグ王者、元GHCタッグ王者。2019年2月21日、後楽園ホー
ルに於ける記念大会にて、現役引退・・・。

ジャイアント馬場没20年追善興行

「ジャイアント馬場没20年追善興行 – 王者の魂 -」、本日は試合の件。
平成最後のオールスター戦と銘打たれ、大々的に報道された時にはかなり
心が躍ったのだが、発表されたカードを見た時には正直「?」マークが。
ところが実際に試合の映像を確認したところ、ここ数年でもかなりレベル
の高い興行であった、と実感。全部は書けないので、セミメインを。

マスカラス・ブラザーズとしての試合はコレが最後、と言われていたが、
さすがに今回は実感した。御年76歳仮面貴族は、もう完全に老人だった。
5年前に来た時はまだ辛うじて動けていたのだが、今回は正直ボロボロ。
フライングクロスチョップで殆どジャンプさえ出来なかったマスカラス。
でも・・・贅沢は言えない。

逆にコンディションの良いドス・カラスが見事なゲームメイク。最後は
兄に代名詞でもあるコーナーからのフライングボディアタックを促した。
お世辞にもキレイな技とは言えなかったが、観客は皆感無量。もしかした
らこれがミル・マスカラス最後の試合になってもおかしくないのだから。

そしてメインは棚橋弘至&ヨシタツvs宮原健斗&関本大介のタッグマッチ。
やっぱり軸になるのは棚橋で、初対決の宮原・関本とどう絡んで行くのか
が最大の焦点。


宮原も関本も日本を代表するプロレスラーなのは間違い無いが、やっぱり
役者は棚橋が一枚上、と感じた。両者の良いところを最大限に引き出し、
熱狂を生んでいく。もしかしたら宮原が「次の棚橋」になるのでは?と思
わせてくれたのだから、棚橋の懐の深さは凄い。そして、関本に関しては
近々のうちに新日本に参戦すべき。オカダ内藤はもちろん、石井との真
っ向勝負が観てみたい。

は宮原と棚橋の「プロレスを最高に愛してま〜す」
この興行に相応しい最高の締めは、観客を絶対に幸福にしたと思う。

ただ。
今のままでは「オールスター戦」は成立しない、と思う。
何故ならば、現状「スター」とされるプロレスラーは新日本プロレスが
寡占状態。新日本以外の団体が大きく飛躍しない限り、オールスター戦
はあり得ない、ということになる。

宮原健斗を有する今の全日本には、大いに可能性がある。どうしようも
なく新日派の僕だが、やっぱり二団体が覇を競う状況の方が熱くなれる。
宮原にはかつての全日本やNOAHくらいの規模まで、全日本を引っ張っ
て欲しい。その上で棚橋との再戦があったら・・・泣くな、きっと。

とにかく、すばらしいイベントを与えてくれた天国のジャイアント馬場
さんに感謝。そして、この素敵なイベントに僕を関わらせてくれた全て
の皆様に、改めて感謝したい。

・・・大変だったけど(^^;)。