KENDO

先月発売のG SPIRITS 42号
この本の人気連載に「ドクトル・ルチャのアリバ・メヒコ」という記事があり、
僕はコレを非常に楽しみにしている。毎回1人、伝説のルチャドールにスポット
を当て、彼らの全キャリアを追いかける、というスタイルなのだが、今回登場
したのは我々日本のファン莫大な思い入れを持つケンドー。思わず狂喜した。

いわゆる“お調子者”キャラでブレイクしたプロレスラーは彼が初めてかも。
会場に鳴り響く「ケンドー チャチャチャ」(チャの部分は手拍子)というコー
ルに対し、自ら反応し煽りを入れる、というのは、これまで日本のプロレス界
には無かった挙動。コレは結構な発明であり、ここから観客側に「応援する」
だけでなく、「参加する」、という意識が生まれたように思う。

『まったく予想外だったのは、私への声援だった。あんな凄いケンドーコール
はメキシコでも聞いたことがなかったからね。この国の人たちには、国境も偏
見もないと思ったよ。観たこともないドミニカ人の私をこんなに愛してくれた
ことに感動し、私はマスクの中で泣いていた。』(記事より引用)

正直、この一文を読んだところで目頭が熱くなった
もしかしたら、最初は僕らの悪ふざけだった「ケンドー チャチャチャ」に対し、
精一杯反応してくれたのは紛れもなくケンドー本人。打たれ弱さこそあったも
のの、凄まじい身体能力でとんでもない高さのトペを繰り出す勇気にも心を打
たれた。ケンドーがあの日に来日してくれなければ、僕らはずっとルチャに対
して偏見を持ったママだったと思う。ケンドーだから、我々は愛したのだ。

この連載に僕らのケンドーを登場させてくれたドクトル・ルチャこと清水勉
に最大級の感謝を。そして、60歳になっても未だ現役のケンドーなのだから、
また是非来日して欲しい。東京愚連隊あたりが呼んでくれると嬉しいんだけど。

▼Gスピリッツvol.42

昭和プロレス 迷宮入り事件の真相

▼昭和プロレス 迷宮入り事件の真相 / 井上譲二(監修)

なぁんとなく購入した元週刊ファイト編集長井上譲二氏が監修する書籍。
宝島社からリリースされている本なので、いわゆる“暴露系”に偏るのは解っ
ていたが、ソコはジョージ井上、なんとか上手くまとめてくれる、と思って
いたのだが・・・。

副題に「YouTube時代に出た最終結論」とあるが、だとするならその結論
はもう何年も前に出ていたことになる(^^;)。ちょっとディープなプロレス
ファンなら全員が知っていることの羅列に過ぎず、しかもそういう人たち
しか買わない本だと思うんだけどなぁ・・・。

読み物として面白かったのは、週刊ファイトのデータがなんとか生かされ
ている「アンドレ・ザ・ジャイアントを投げた男たちは本当か?」くらい。
あとはラッシャー木村のエピソードも少しグッと来たけど・・・。

ちょっと残念な出来。ジョージじゃなくて波々伯部さんに期待した方が
いいな、きっと。

WRESTLE KINGDOM 11 in TOKYO DOME

新日本プロレス・WRESTLE KINGDOM 11 in TOKYO DOME
今年もライブ観戦は止めて、自宅にてテレ朝ch2のライブ放送にて。

あまりに悲しい結末だった。
今年の注目はセミファイナルに組まれたインターコンチネンタル選手権
王者の内藤哲也棚橋弘至が挑戦する、という、これまでと真逆のパターン。


内容は「これぞプロレス」、という力の入ったモノ。両者共によく攻め
そしてよく受けた。しかし、試合の主導権を終始握っていたのは王者の内藤。
この1年、新日本の主役を張り続けた2016年プロレス大賞MVPは、恐ろしい
レベルのプロレスラーに成長していた。

残念ながら、今の新日本はメインイベンターとしての棚橋を必要としない
だろう。確かに2017年はオカダ・内藤が両輪であるべきだし、そうならな
ければいろいろヤバい、と理解はしている。ただ、こうも完璧な形で棚橋が
弾かれる展開は、正直見ていて辛かった。というか、ちょっと泣いた


この後は辛いんじゃないか?と思われたメインのIWGPヘビー級選手権
しかし、挑戦者のケニー・オメガも、王者のオカダ・カズチカも、やっぱ
只者では無かった40分を超えるハードコア戦のようなタイトルマッチ
は、もしかしたらオカダのベストバウトかもしれない。CSの放送時間に
収まらないメイン。慌ててNJPW Worldで続きを観戦する事態に。

タフマッチを制したのは、王者のオカダ・カズチカ。敗れたケニーも見事だ
った。2017年の新日本は、オカダ・ケニー・内藤の3人で充分に回せるハズ。
棚橋の巻き返しはあるのか? そこを考えると、少しだけ胸が痛い。

今年のドームおみくじは、文句無く「大吉」と言いたいところなんだけど、
満身創痍のままメインストリームから外れた男に自分が重なってしまう。
その分だけ割り引いて「中吉」で。タナが巻き返せれば、きっと僕も・・・。

そして、見事なリングアナウンスを魅せた我らが「平成の怪物」安田顕
内藤拳を合わせず握手を求めた姿に感心した。彼もまた気合いの入った
プロレス者。格好良かったぞ、ヤスケン

2017年のイッテンヨンを予想!

日本プロレス界最大のイベント、新日本プロレス1・4東京ドーム大会
「WRESTLE KINGDOM 11」の全カードが確定。メインイベントを決める
ファン投票等は開催されず、すんなりIWGPヘビー級王座戦がメイン。
結構おもしろそうなカード編成となったので、注目カードをいくつか予想
してみる。

▼第1試合 テレビアニメ「タイガーマスクW」スペシャルマッチ
タイガーマスクW vs タイガー・ザ・ダーク

ポイントはタイガー・ザ・ダーク「中の人」の人選。ココにとんでもない
選手を持ってくれば、かなりの名勝負になる可能性もあるのだが、ここはW
の勝利を予想。何気にこの試合、楽しみ♪

▼第7試合 IWGP Jr.ヘビー級選手権試合
(王者)KUSHIDA vs 高橋ヒロム(挑戦者) 

1年頑張って来たKUSHIDAには申し訳無いが、この試合は凱旋帰国のヒロム
が勝つべき。前哨戦でのファイトには本当に未来を感じた。公約通りヒロム
は一発で王者となり、2017年にジュニアの主役になるべき。注目!

▼第9試合 IWGPインターコンチネンタル選手権試合
(王者)内藤哲也 vs 棚橋弘至(挑戦者) 

散々だった2016年を払拭するには、ここで棚橋が王者になるしか無いのだ
が、それによって内藤の勢いが止まることの方が怖い、というのが今の新日。
正直言えばタナに勝って欲しいのだが、内藤の防衛かなぁ、ココは。
そうなると棚橋に先は無くなっちゃうんだけど・・・。

▼第10試合 IWGPヘビー級選手権試合
(王者)オカダ・カズチカ vs ケニー・オメガ(挑戦者) 

年頭のこの試合をどう持って行くか?で、今年の新日が決まる。
2017のイッテンヨンには、棚橋・中邑が居ない。オカダにもケニーにも
メインイベンターの資格はもちろんあるが、どちらが2017年の主役を張る
のか、しっかりと見届けたい。予想は思い切ってケニーの王座戴冠

今年のドームはそこそこイケそうな感じ。後はどれだけ客が入るか?なんだ
けど、果たして? 今年は行かずにNJPW WORLDで観戦だな、きっと。

徒花・悪役ブルースを発掘!

Kindle Unlimitedサービスに登録し、週刊プロレス定額購読の体勢に入った
のだが、ついでに面白そうな小説も片っ端から読み漁っている状態。んで、
読み放題ストアで“プロレス”というワードで検索したら、興味深い作品が
多々出て来やがった。特に驚いたのは・・・。

↑↑「悪役ブルース」
原作はタイガーマスクの梶原一騎、作画は峰岸とおる週刊少年マガジン
で連載されていたのだが、梶センセ不祥事(^^;)でいきなり連載中止にな
った、悪い意味で“伝説”とされる幻の作品である。

将来有望な空手家がTV番組の企画で外人悪役プロレスラーに叩きのめされ、
そのままそのレスラーに弟子入り。アメリカ・メキシコに渡り、プロレスで
ヒール(悪役)として活躍する、という話なのだが・・・。

梶センセの作品によくある展開なのだが、途中から実在するプロレス団体
リンクしてくる。上の画像はメキシコ遠征に来た初代タイガーマスクと、
作品上の主役であるザ・カミカゼ=吹雪純也が激突するシーン。まぁ、カミ
カゼはこの後タイガーにボッコボコにされてしまうのだが(^^;)。

この話は展開を見せ、カミカゼは当時悪役として絶頂だった国際軍団に入る。
さぁこれから!と言うところで連載が終わってしまったのだから、当時の僕
を含めたプロレスファンの落胆ぶりは凄まじかった(^^;)。
梶センセがご存命なら、今からでも続きを書いて欲しいくらいなのだけど・・・。

Unlimitedにはその他にも「プロレススーパースター列伝」やら「最狂超プロ
レスファン烈伝」などの読み放題コミックが多数あり。いや、マジで申し込
んでおいて良かったよ、Unlimited。

▼悪役ブルース1 /  梶原一騎・峰岸とおる(Kindle版)