CWC #09

「WWE CRUISERWEIGHT CLASSIC」9週目
準々決勝の残り2試合をオンエアし、来週の配信はライブ準決勝・決勝
先週準決勝にコマを進めたのは飯伏幸太グラン・メタリックの2人だったのだ
が、果たして今週は?? オンエア順にて。

▼ 〇ザック・セイバーJr.(変形チキンウィング)ノーム・ダー×

こちらのブロックでは観客の期待値がいちばん高かったザックが、同じ欧州・
スコットランド出身のノーム・ダーと準々決勝。ランカシャースタイルの攻防
が期待されたが、実際のところは・・・。

ハッキリ言えば、プロレスラーとしてのレベルにちょっと差があったかも。
ダーに関してはトーナメントの組み合わせに恵まれての準決勝進出と言えなく
もない状況であり、試合の主導権は全般に渡ってザック。安心して観ていられ
る試合。

ただしダーも必死でザックを追い込み、一時はあわや!という場面も作った。
トーナメントの早い段階でもう少し良い選手と当たっていれば、評価は違った
モノになったと思う。ダーにとってはベストマッチだったが、最後はもの凄く
痛そうなチキンウィングザック完勝。準決勝進出!

▼ 〇T.J パーキンス(リバース足四の字固め)リッチ・スワン×

準々決勝屈指の好カードと目されたのがこの試合。TJリッチWWN系の
EVOLVEDGUSAで何度も試合をしている筈。昨年、サンノゼで観たEVOLVE
の大会でも、この2人は絡んでいた気がする。正に鉄板カード、の筈が・・・。

前半は期待通りの展開。両者共に「今風」のプロレスラーのステレオタイプで
あり、動きが速く、打撃の当たりがキツいファイトを展開。特にTJのグラウン
ドへの入り方は新日本の香りがプンプン。アンダーソンダニエルソン中邑
と一緒に練習したLA道場のキャリアは伊達では無い。

良い試合だったのだが、リッチが場外への450°スプラッシュをTJにかわされ、
コレを着地で回避したあたりから雲行きがおかしくなってきた。リッチ、空足
を踏んだ状態で左足を負傷した模様。跳び技が思うように出ないリッチは最早
TJの敵では無く、最後は得意のリバースフィギュア4でTJ勝利。

リッチはいつも大事なところで怪我するなぁ・・・。
そういえば昨年もEVOLVEで負傷し、翌日のWrestleconへの出場が無くなった。
ライガーとのタッグだったので本当に勿体なかった。本人とちょっと話をした
のだが、やたら悲しそうな顔をしてたのを思い出す。リッチ、残念・・・。

準決勝のカードは、グラン・メタリックvsザック・セイバーJr.飯伏幸太vs
T.J パーキンスに決定。残ったメンツは新日系が3人(飯伏・メタリック・TJ)、
NOAHが1人(ザック)。そう考えると、日本でやるべきだったと思うのだよ、
CWC(^^;)。

予想は決勝が飯伏vsザック、優勝は飯伏。ただ、準決勝の飯伏vsTJは大注目。
いよいよ来週シーズンファイナル。どうなる???!

DDT・世界でいちばん熱い夏

DDT「両国ピーターパン2016・世界でいちばん熱い夏」SAMURAI TVにて。
完全に晩夏の風物詩となったDDT両国大会だが、今回は間違い無くメイン
KO-D無差別級選手権を語るべき。

若干21歳王者竹下幸之助に挑んだのはベテランの大巨人石川修司
大日本・全日本で大活躍している石川のワンサイドゲームになるかと思ったが、
竹下の“地力”はそれを許さず。この若さでこういう試合が出来るプロレスラー
を、僕はこれまで観たことが無い。中嶋勝彦オカダ・カズチカも若い頃から
凄いとは思っていたが、竹下のポテンシャルは間違い無くその上を行っている。
正直、舌を巻いた

試合は石川が説得力満点のジャイアントスラムを決めて勝利したが、DDTの
今後のためにも竹下が王者でいるべき。早い段階で再挑戦し、もう一度王座
に就いて貰いたい。

大会全体としては、相変わらず緩急の付け方が極端(^^;)。
前半戦は笑いに包まれ、後半戦は固唾を呑む、というパターンはもうDDTの
十八番、と言って良いと思う。かなり長い興行だったが、最後が凄ければ
もうそれで。DDT両国は最近ずっと満員を記録しているが、それも充分に
納得出来る。

今現在、日本のプロレス団体をリアルにランキングするのなら、DDTはもう
新日本のすぐ後に付けている。三番手をドラゲー大日本が争い、続いて
NOAH、少し離れてZERO1・W-1・全日本。なんでこうなっちゃったのかな?

正直、W-1と全日本はどうでもいいから、NOAHには踏ん張って欲しい。
試合内容では、全然負けていないのだから。

CWC #07

「WWE CRUISERWEIGHT CLASSIC」7週目
トーナメント二回戦の残り3試合を一挙に放送する日だが、この3試合がどれも
大当たりな内容。今週もオンエア順でレビューをば。

▼ 〇リッチ・スワン(フェニックススプラッシュ)リンセ・ドラド×

注目のリッチがプエルトリコのリンセ・ドラドと対戦。
リンセはプエルトリコ出身だが、基本は米国インディー系のChikaraEvolve
で試合をしているらしい。同じフィールドに居たリッチとは手が合う筈、と思っ
て観ていたら、まぁこれが非常にスイングした良い試合。

両者共にいわゆるルチャ系の動きから入って行くのだが、なかなか受け身を取ら
ない(^^;)。先に背中を付けたら負け、みたいなルールの試合を観ているようで
面白かった。

最後は地力に勝るリッチが不死鳥スプラッシュを決めて勝利したが、リンセも
どんどん観たい選手。何年か前に大阪プロレスに参加したらしいのだが、WWE
からオファーが無ければ新日本ドラゲーあたりに来れないだろうか?

▼ 〇ザック・セイバーJr.(ヨーロピアンクラッチ)ドリュー・グラック×

意外にも試合前半のペースを握ったのはグラック
デスマッチ系の選手、ということしか知らなかったのだが、なかなかどうしての
グラウンドテクニック。合間に強烈な打撃を入れて来るところに感心した。

しかし、ザックテクニックはやはり2〜3歩上を行った模様。
寝技と切り返しの攻防だけで、すれっからしのCWCオーディエンスを唸らせてし
まうのだから、その所業は完全に芸術の域。

最後もグラックの必殺技、胴締めドラゴンスリーパーを完璧な欧州式エビ固め
切り返し、完全な3カウント。敗戦でアタマを抱えたグラックの表情が印象的。
・・・グラックも日本に来て欲しいけど、契約しちゃうだろうなぁ、きっと(^^;)。

▼ 〇T.J パーキンス(リバース足四の字固め)ジョニー・ガルガノ×

二回戦最後のカードは元PUMATJと、NXT現役ファイターガルガノ
内容が計算出来るくらい鉄板なカードだと思っていたが、その予想を完全に上回
って来たのだから、2人とも只者では無い

言葉で表現するならば、「いちばん良い時期のTNA X-DIVISIONマッチ」
身体能力が高く、跳び技も投げ技も固め技も正確な2人が、終始同じスピードで
タフマッチを繰り広げるのだから、コレが面白く無いワケが無い。

両者共に優勝候補とされていたのだが、明暗を分けたのはガルガノの負傷
テイクオーバーブルックリンNXTタッグタイトルマッチで負った足の怪我は、
深刻とは言わないまでも酷かった模様。それさえ無ければ、本当にどちらが勝つ
か解らない、超ハイレベルな試合だったと思う。

負傷箇所を的確に攻めたTJの勝利。やっぱりTJの関節技新日本の香りがある。
本当はザックとのシングルが観たかったんだけどなぁ・・・。

これにてベスト16の試合も全終了。準々決勝のカードは以下の通りとなる。

■飯伏幸太 vs ブライアン・ケンドリック
■T.J パーキンス vs リッチ・スワン

□戸澤陽 vs グラン・メタリック
□ザック・セイバーJr. vs ノーム・ダー

勝ち上がり予想は飯伏・リッチ・メタリック・ザック。希望的観測としては、
飯伏vsザックの決勝戦が観たい。WWEイベント大メイン新日vsNOAHになっ
たら、もう最高なのだけど。

Finn Bálor “WWE UNIVERSAL CHAMPION”

3日間プロレスの話題連続。それもしょうがない。結構な“大番狂わせ”が起こ
ったのだから。ただし、この番狂わせは完全に「良い方」なのでご安心あれ。

WWEの4大PPVの一つ、WWE SUMMERSLAM 2016がニューヨーク州ブルッ
クリンで行われた。新設のWWEユニバーサル王座決定戦のリングに上がった
のは、昨年までWWE王者だったセス・ロリンズと、元NXT王者で先日のドラ
フトで昇格したばかりのフィン・ベイラーWWEでの実績から言って、セス
の勝利は動かないと思っていたのだが・・・。

大熱闘を征したのは、なんとフィン・ベイラー!!
つまり、元IWGPジュニアヘビー級王者にしてBULLET CLUBの創始者だった
我らがプリンス・デヴィットが、RAWNo.1になった、ということ。

前日の中邑真輔の快挙に続き、WWEの本枠でいきなりトップ。世界最大の
団体の3本の看板タイトルのうち、2本を元新日勢が持っている、っつーのは、
単純に嬉しい。

デヴィットなら、初代王者の重責を充分に果たせる筈。BULLET CLUBもオリ
ジナルで復活する可能性も。いやぁ、来週から久々にRAW毎週見ようかな!!

追記:
どうやらサマースラムのタイトルマッチでベイラーは左肩負傷・・・。
しかも、完治まで半年近くかかるらしく、せっかく取ったタイトルは返上・・・。
無念!

SUPER J-CUP 2016・優勝決定戦

7月に後楽園ホールで一回戦が行われた「SUPER J-CUP」
準々決勝から決勝までは昨日、有明コロシアムで行われたのだが、残念なが
ら仕事で観戦することが出来ず。ちょっと観に行きたい大会だったのだが・・・。
取り敢えず、いつものようにNJPW WORLDでチェック。
今回はトーナメントのみレビュー。

準々決勝:

▼獣神サンダーライガー(新日本)vs タイチ(鈴木軍)

・・・NOAHや鈴木軍興行で見られるタイチの姑息さは決してキライでは無い。
セコンド乱入・急所打ち等の反則を駆使するスタイルも、通常の試合なら全く
問題無いのだが、J-CUPでコレをやる、ってのはさすがにちょっと(^^;)。
いつものスタイルを貫いた、と褒めるワケにはいかないな・・・。

○タイチ【リングアウト】ライガー×

▼KUSHIDA(新日本)vs 拳王(NOAH)

この試合、わりと期待していた組み合わせ。日本拳法vs高田道場という見方
もあるし、拳王底力が発揮される試合になると思っていたのだが、残念な
がらそういう展開にならず。というか、KUSHIDAが普通に強いや、マジで。
まさかの拳王完封負け。そこまで実力差あったのか・・・。

○KUSHIDA【腕ひしぎ逆十字固め】拳王×

▼田口隆祐(新日本)vs 金丸義信(鈴木軍)

曲者対決。試合前は「真面目に行く」と豪語した田口だが、普段と変わらな
い動きで逆に観客を沸かせるGHCジュニア王者・金丸臨機応変さもさす
がで、コミカルな田口の動きにキッチリ対応。反則も交えながらだが、しっ
かり実力者ぶりをアピールしたのがタイチと違うところ(^^;)。

○ 金丸【タッチアウト→体固め】田口×

▼ウィル・オスプレイ(新日本・CHAOS)vs マット・サイダル(ROH)

凄い勢いで伸びて来たオスプレイに対し、マットの評価はやや落ち着いた感。
これを払拭するにたる、すばらしい試合だった。
考えてみれば、マットはドラゲーであのリコシェと評価を二分した程の選手。
相手の技を受ける技術にも長け、さらに跳び技も華麗。正しい評価を勝ち得
た、と言って良いと思う。マット、WWEなんか行かなきゃ良かったのに(^^;)。

○ サイダル【エア・サイダル】オスプレイ×

準決勝:

▼KUSHIDA(新日本)vs タイチ(鈴木軍)

タイチの2試合目を見て、失敗を実感。残念ながらJ-CUPのお客さんは絶対に
コレを望んでいなかった(^^;)。あまり語るべきところは無く、タイチの小狡
い攻撃をなんとか凌いだKUSHIDAの順当勝ち。株下げちゃったな、タイチ・・・。

○ KUSHIDA【小包固め】タイチ×

▼金丸義信(鈴木軍)vs マット・サイダル(ROH)

金丸懐の深さを魅せ付けた試合。マットの攻めはダテでは無く、何度も
勝利寸前まで行くのだが、その度に金丸はノラリクラリな戦法でダメージを
絶妙に逃がす。ハーリー・レイスジュニア版、と言ったら解りやすいか?
終わってみれば金丸完勝の印象。やっぱ凄いな、この人は。

決勝:

▼KUSHIDA(新日本)vs 金丸義信(鈴木軍)

決勝は奇しくもIWGPジュニア王者vsGHCジュニア王者というマッチアップ。
ここでなんとKUSHIDA受けに回り、金丸の猛攻を凌ぐスタイルに終始した。
つまり、金丸よりクッシーの方が王者らしく見える展開。あのKUSHIDAが、
まさか金丸をコントロール出来るくらい上手くなるとは、正直思わなかった。
最後はホバーボードロックがカッチリ決まり、KUSHIDAの勝利。

○ KUSHIDA【ホバーボードロック】金丸×
※KUSHIDAが優勝

本当はトーナメント枠外で組まれたスペシャルマッチにも触れたかったのだが、
さすがにその物量を処理する自信無し(^^;)。
ただ、特別なイベントであるJ-CUPの決勝興行としては、内容にやや不安が残っ
たかも。やっぱり今回はタイチでなくてデスペの方が良かった気がするなぁ・・・。

一回戦ではCWCを蹴散らせそうな勢いを感じていただけに、ちょっと残念。
やっぱタイチがなぁ・・・。