昭和プロレスを語ろう!

#昭和プロレス


▼昭和プロレスを語ろう! / 小佐野影浩・二宮清純

ブックレビューはしばらくプロレス本が続くかもしれません(^^;)。
品川駅構内の本屋にフラッと立ち寄った時に見つけた新書小佐野影浩とは
ご存じ週刊ゴング元編集長の小佐野さんで、二宮清純とは気合いの入った
スポーツライターとして有名な二宮さん。そんな2人が、昭和プロレスをネタ
に対談。こりゃあおもしろそう!ということで。

・・・いや、2人ともちょっと肩の力が抜けすぎかも(^^;)。
時代は力道山時代からリアルな昭和の終わりまでを網羅しているのだが、特
に目新しい真実も無ければ暴露も無い、下手すればちょっと残念な内容
ただ、そんな2人のリズム妙に心地よく、知っている話でも気分良く読めて
しまったのが不思議。

個人的に小佐野さんの上田馬之助への評価がそれほど高くなかったのが意外。
後は懐かしいガイジンレスラーたちのエピソードにほっこりさせて貰った。

この2人には、どうせなら「平成前半のプロレス」も語って欲しいところ。
新日本の暗黒期くらいまでの時代なら、両名とも語れる何かがありそうな気
がするので。

忘れじの外国人レスラー伝

#DECADE


▼忘れじの外国人レスラー伝 / 斎藤文彦

フミ・サイトーこと、斎藤文彦の新刊ノンフィクション。
新書でリリースされるプロレス本、というのは最近ではあまり無かった気
がする。書店で見掛けたのではなく、Amazonのリコメンドで購入。

登場するのは10人ガイジンプロレスラー。羅列すると、
“神様”カール・ゴッチ、“白覆面の魔王”ザ・デストロイヤー、“大巨人”
ンドレ・ザ・ジャイアント、“人間風車”ビル・ロビンソン、“爆弾小僧”
イナマイト・キッド、“人間魚雷”テリー・ゴディ、“殺人医師”スティーブ
・ウィリアムス、“刺青獣”クラッシャー・バンバン・ビガロ、“皇帝戦士”
ビッグバン・ベイダー、“暴走戦士”ホーク・ウォリアー。
10人の共通項は「故人である」ということ。

この10人にはそれぞれ大いなる思い入れがある。であるからこそ、淡々と
描かれる各人の「終わりと始まり」は、びっくりするくらいスッとコチラ
に入ってくる。彼らがリングで闘う姿は今も鮮明。フミさんが書いている
通り、ファンが思いを馳せているウチはずっと彼らは生きている、と僕も
思う。

極めて冷静な文体だが、行間から滲み出る愛情を誰もが感じる筈。
プロレスとかそういうのは関係無く、フミ・サイトーのような文章は僕の
理想。こういう文章を書ける人になりたいなぁ・・・。

有田プロレスインターナショナル

#神の言葉


配信バラエティ始まって以来の名番組「有田と週刊プロレスと」の後を受け、
有田哲平が新たに立ち上げた新番組「有田プロレスインターナショナル」
正直思っていた形態の番組ではなかった(^^;)のだけど、これもまた非常に
おもしろい。

過去2~3週の予告編を載せてみた。
トーク形式を捨て、ある程度普通のバラエティにシフトしているのだが、
毎回【有田+プロレスに詳しいゲスト2人】を、プロレスに全く明るくない
芸人司会として回す、という構成。かなり冒険のシフトだが、これが功を
奏したらしく、どの回もとにかくおもしろく、尚且つ興味深い。

特に先週から今週に続ているグッズ周りの話は、ある意味で勉強になる程。
市場に出ていることが話題になっていた、あのウルトラマンマスク、まさ
古坂大魔王が購入していたとは、夢にも思わなかった。

今日から始まった闘道館ロケはまだまだ続きそう。
しばらくマニアックな話題で楽しめそうだな、この番組。

WORLD TAG LEAGUE 2020 & BEST OF THE SUPER Jr.27

#ヒロムの言葉を聴け!


名古屋・ドルフィンズアリーナで行われたWTL2020&BOSJ27開幕戦
コロナで中止になった伝統のBOSJが、WTLと共催とはいえ、開催されたの
が嬉しい。

メインはBOSJの公式戦、IWGPジュニア王者石森太二高橋ヒロムの一戦。
この2人にしか創り出せない世界を構築した上でヒロムが劇勝。大会場での
メインを見事に飾ったワケだが、感動したのは試合後のヒロムのコメント

「プロレスやって、プロレス観て、疲れるって本当に幸せだな。プロレスフ
ァン、もっともっと×4、疲れさせてやる!」
・・・メインイベンターに相応しい、最高のコメント。こういうことをサラッ
と言ってのけるから、ヒロムに夢を見てしまう。このまま優勝してドームで
ベルトを取って、「ジュニアのままIWGPヘビー級王者」をいつでも狙える
場所に居続けて欲しい。史上初の快挙は、ヒロム以外に達成して欲しくない

そしてWTLXとなっていたグレート・O・カーンのパートナーは、大方の
予想通りジェフ・コブオスプレイTHE EMPIREが更に強力になった。
WTLの優勝予想はOカーン&コブの一択。・・・というか、彼らが優勝しない
意味が無い気がする。

さすがに全大会レビューするのは難しいけど、要所々々でトピックを上げる
つもり。興行再開以降の新日本、おもしろいな、さすがに。

週刊プレイボーイのプロレス

#1990年代のWPB


▼週刊プレイボーイのプロレス / 佐々木徹

かつての週刊プレイボーイ名物編集者佐々木徹氏の作品。
まさかこんなタイトルの本が、G SPIRITS BOOKとしてリリースされるとは夢
にも思わなかった。

80年代中盤、新生UWFがブレイクした頃の我々はとにかく「情報」を得るこ
とに貪欲だった。週刊プロレス・週刊ゴング・週刊ファイトの3誌は必ず購入
し、下手すれば駅売りの東スポも毎日買う。裕福だったワケでは無いので、
とてもじゃないが一般誌などに金は使えない。週プレにプロレスの記事が掲載
されていたとしても、それを買うことはほぼ無かった。

・・・にも関わらず!
僕はここに掲載されている記事のほぼ全てに覚えがある(^^;)。おそらく書店
での立ち読みが殆どで、手元に置かない雑誌だから余計に覚えたのかと。今に
して思うと、プレイボーイを真剣に立ち読みしている図、というのは、あまり
好ましいモノでは無かったかなぁ(^^;)。

とにかく佐々木さんの手掛けたプレイボーイのプロレス記事が、ジャンル
時系列でしっかりまとまっている意欲作。やたらがある上に1ページ2段組
膨大な文字量なのにも関わらず、文章を追いかける作業が全く苦にならない
専門誌にあるような良い意味での暑苦しさ胡散臭さからかけ離れた表現を
当時は「新鮮」に感じたのだが、今改めて読み返すと「カッコイイ」
きっとそれがWPBプロレスの真骨頂なのだ、と思う。

章間の書き下ろしエピソードも含め、トータルで完成された一冊
佐々木さんが相変わらずプロレスに「熱い」ことが、本当に嬉しくてならない。
もう一度、あの頃のノリでプロレスが観たいなぁ・・・。