闘魂Vスペシャル伝説

▼闘魂Vスペシャル伝説 / 小路谷秀樹・小島和宏

プロレス関係のMOOKは多々読んでいるのだが、その中でもコレは特殊
フォーカスされているのは1990年代に「VALIS」というブランドから発売
されていたセルビデオシリーズ「闘魂Vスペシャル」。著者の一人として名
を連ねている小路谷秀樹氏とは、そのVALISの社長であり、レンタル全盛時
AV業界を席巻した映像クリエイター。つまり、闘魂Vの制作当事者自らが
同シリーズの秘話を語る、という作品である。

プロレスの中でも相当にニッチな世界なハズなのだが、小路谷監督の談話に
イチイチ頷ける自分にまず驚いた。つまり、僕は闘魂Vスペシャルシリーズ
作品をかなり観ている、ということ。確かに今でもきっと部屋を探せば何本
かのVHSパッケージを発掘出来ると思う。映像メディアといえばVHSしか無
かった時代。当時の販売価格3,800円というのは衝撃だったが、正味30分尺
と考えると、決して安くは無い。当時はかなりの薄給(^^;)。にも関わらず、
こういうビデオに金を惜しまなかった気がする。

小路谷監督の語るところによると、「闘魂Vスペシャル」の素材は、会社を
畳んだ時に新日本プロレスに権利ごと売却しているらしいのだが、新日本内
行方不明になっている(^^;)とか。発掘出来れば確実に配信サービスである
新日本プロレスワールド目玉になる。ぜひ探し出して欲しい。

正直、かなり楽しめました! いい企画だな、このMOOK。

飯伏幸太、NEVER無差別奪取!だが・・・

盛岡で行われた新日本プロレス「ワールドタッグリーグ優勝戦」をタイムシ
フト視聴。当初の予想は惨憺たるモノだったのに、思った以上に盛り上がっ
リーグ戦。しかし今回はそこではなくて・・・。

セミファイナル・NEVER無差別級王座戦
王者後藤洋央紀飯伏幸太が挑んだタイトルマッチ。後藤と飯伏のSNS上
でのやり取りが話題になり、前評判が変な風(^^;)に高かった試合。

コレも思った以上の好勝負だったのだが、結果は順当飯伏の勝利
基本、後藤に対してあまり良い感情を持っていない僕だが、さすがに要所々
々で負けすぎ(^^;)。この結果、後藤の東京ドームでのカードが消えてしまっ
たのだから、さすがに気の毒(^^;)な気もする。

飯伏はヘビー級転向後、新日本シングル王座獲得。
だが、飯伏ほどの選手が最初に取るタイトルが今のNRVERで良いのか?とい
う疑問が残る。盟友のケニーはインターコンチ・US・IWGPヘビーという3つ
大関・横綱級のタイトルを取っているのに・・・。

幸いなことに東京ドームで飯伏のNEVERに挑戦するのはウィル・オスプレイ
飯伏vsオスプレイはなかなかの好カードであり、この組み合わせの実現が無
かったらいろいろヤバかった気がする。

後は飯伏がこの鬼っ子みたいなタイトルをどう処理するか?
拘って防衛して価値を上げるのか、早々に返上してメジャータイトルを狙う
のか、注目したい。出来れば前者がいいんだけどなぁ・・・。

知らなきゃよかった プロレス界の残念な伝説

▼知らなきゃよかった プロレス界の残念な伝説 / ミスター高橋

プロレス界の「超A級戦犯」とされるミスター高橋の作品。
ミスター高橋とは、自著の流血のなんちゃら(^^;)でプロレス界の内幕を
バッサリカミングアウトし、各方面に問題を投げかけた元新日本メイン
レフリー

かつての著書については僕も完全に「否定派」寄り。
内容が真実かどうかなんて正直どうでもいい。そういうのを含めて語れる
のがプロレスの良いところであり、だからこそ40年以上プロレスに魅了さ
れてきた。ミスター高橋に対する思いは「余計なことをブツブツと・・・」
といったところ。

そんな僕が何故こんな本を買ったのかというと、コレがもう魔が差した
しか言い様がない(^^;)。無理に言うなら、新日本の黄金時代に外人係とし
て数々の名選手たちと接してきた氏のキャリアだけはバカに出来ず、とい
ったところだが、それが吉と出るか凶と出るか・・・。

・・・凶でした(^^;)。
まず、エピソードが非常に薄っぺらい上に、これまで知らなかった事実が
殆ど無い、というトホホさ。コレに加え、文章があまりに稚拙で、続けて
読むのが苦痛。あれだけ話題になった本を書いておきながら、この成長の
無さが辛い(^^;)。「知らなきゃよかった」と感じるエピソードすら無い、
というのはある意味凄いけど。

そういう風に読んじゃうのは、やっぱり僕にわだかまりがあるんだろうな
ぁ、とは思う。良い意味でも悪い意味でも、プロレスと格闘技に線が引か
れるようになったのは「流血」があったから。しかし、僕は今でもプロレ
スを格闘技の上位概念として捉えている。

意味は違うかもしれないが、格闘技よりもプロレスの方がよっぽど真剣。
「技を逃げずに受ける」という怖さは、いわゆる格闘技には絶対に存在し
ないし、リング上での動き一つを間違っただけで何ヶ月も業界が低迷する
場合もある。ミスター高橋があの本を出す前に、僕は、いや、僕と同じよ
うにプロレスを観てた人たちはソレに絶対気付いていた

だからまぁ、この人に出来るのは余計なことを言うくらいなんだろうなぁ、
と思う。この辺が私利私欲に走った人の限界なんだよね、きっと。
説得力は無いのを承知で言う。買わなきゃ良かったな、この本(^^;)。

棚橋弘至&オカダ・カズチカの初タッグ

新日本プロレスの年末「WORLD TAG LEAGUE」なのだけど、コレが
なかなか定着しない(^^;)。まぁ、年間最大のビッグマッチ、東京ドーム
大会を目前としたところでタッグリーグやってもなぁ、という(^^;)。
しかし、今回は本戦以外にニュースあり。29・30日後楽園ホール大会
にて、棚橋弘至オカダ・カズチカタッグを組んじゃうと言う・・・。

まずは29日、棚橋&オカダ&KUSHIDAvsジェイ&ファレ&石森


序盤こそダブルの攻撃があったが、なんというか非常にチグハグ(^^;)。
棚橋に関しては「絵作りの天才」でもあると思うのだけど、なかなか良い
ツーショットが成立せず(^^;)。そしてラストは・・・。

二人ともジェイ・ホワイトブレードランナーを決められて仲良くKO
この二人が組んで、こういう負け方しちゃうのは正直どうかと思う(^^;)。
まぁ、逆にジェイの調子の良さが際立ったから良かったんだけど。

30日、棚橋&オカダ&KUSHIDA&ロッキーvsジェイ&ファレ&石森&外道

棚橋、早くもリング上での絵作りを諦めた模様(^^;)。しかし、こうやって
並ぶと二人ともなかなかのオーラ。日本プロレス時代の猪木&馬場組って
こんな感じだったのかもしれない、とか一瞬思った。まぁ、一瞬だけど。


昨夜より連携はあったものの、今夜もジェイにKOされるオカダ(^^;)。
凱旋帰国以来これだけ連続して負けるオカダは初めてかも。正直言って、
オカダのこういう姿はあんまり観たくないなぁ・・・。

・・・このタッグ、パーマネントに組んでいくのはちょっと無理かもしれない
なぁ、と。例えば対角に内藤鈴木がいればもうちょっと盛り上がった気が
するのだが、ドームの前哨戦レベルまで落としちゃダメな気もする。期待し
てたんだけど、興味半減。よくないな、このマッチメイク(^^;)。

THE SUN ALSO RISES

▼日は、また昇る。 / スタン・ハンセン(Kindle版)

「ブレーキの壊れたダンプカー」ないしは「不沈艦」の異名を取り、その
キャリアの殆どを日本のリングに捧げたレジェンド、スタン・ハンセン
自伝

ハンセンの存在を認識したのは、僕が小学校4年生くらいの頃だったと思う。
ニューヨークであのブルーノ・サンマルチノの首をへし折り、鳴り物入りで
新日本プロレスに参加したハンセンは、その段階で既に驚愕だった。ファイ
トスタイルは荒削りで直線的だったのだが、凶器などの反則を殆ど使わず、
フィジカルのみ圧倒的な強さを魅せる。最初こそインサイドワークに長け
アントニオ猪木に手玉に取られたが、2回・3回と来日を重ねる度に猪木
に肉薄。ついにはNWF王座まで奪ってしまった。ちなみに、NWF王者時代
の猪木がタイトルを明け渡した選手は、ハンセンとタイガー・ジェット・シ
2人だけである

僕が最初に生で観た猪木の試合は、ハンセンとの一騎打ち。それも、NWF
王者のハンセン猪木が挑むリターンマッチ。ここでスタン・ハンセンを、
そしてウェスタンラリアートを目撃してしまった事が、僕の人生を変えた、
と言って間違い無いと思う。

そんな「最重要」な選手の自伝だから、やはり居住まいを正して読んだ
現役時代の話ももちろん興味深かったのだが、それよりも引退後、未練を
残さずにキッパリリングから去った後の姿に感銘を受けた。

プロレス界には「引退」を撤回し、何度も復帰するレスラーが多々居るし、
正直ソレを否定する気はもう失せているのだが、ハンセンの態度は本当に
立派。だからこそ僕は今でもハンセンをリスペクト出来るし、大きな大会
にウィットネスとして来日するハンセンに惜しみなく大声援を送ることが
出来る。スタン・ハンセンこそが、本物のプロレスラーである。

そんなハンセンは、来年2月19日の「ジャイアント馬場没20年追善興行」
両国国技館大会に久々に来日する。当日集まるであろう多くのプロレスフ
ァンと共に、僕も大きな「ウィー!!」を叫ぼうと思う次第。

ちなみに現在この作品はUnlimited扱い。今がチャンスだ!