CWC #05

「WWE CRUISERWEIGHT CLASSIC」5週目よりトーナメント二回戦へ。
今週から1エピソード4試合ではなく、試合時間によって構成が変わる模様。
2nd Roundの一発目は、日本勢の試合が2試合。今日はオンエア順にレビュー。

▼ 〇グラン・メタリック(ドラダスクリュードライバー)TAJIRI×


“ザ・ジャパニーズ・ルチャ”
と形容するのがいちばん良いと思う。
共にジャパニーズスタイルルチャリブレの両方をベースに持っているため、歯車
のカッチリ合ったスイングする闘いに終始。米国のファンには新鮮だったのでは?

WWEマットでの経験が豊富なTAJIRIが試合の主導権を握る。
しかし、グラウンドの攻防でもしっかりTAJIRIに付いていくドラダ(メタリック)
の実力もかなりのモノ。新日本への1年間の移籍は無駄ではなかった!!

最後は得意技のドラダスクリュードライバーを決めたドラダの快勝
負けたTAJIRIも相当納得が行ったのであろう、試合後には満足そうな表情を魅せて
くれたのが印象的。ドラダは見事にベスト8へコマを進める!!

▼ 〇飯伏幸太(シットダウン式ラストライド)セドリック・アレキサンダー×

両者の一回戦の試合内容から、二回戦屈指の好カードと目されたマッチアップ。
とにかく元ROHセドリックの動きが単純に“凄い”。日本の団体はどうして今まで
この選手に触手を伸ばさなかったのか、本当に不思議。っつーか、ちゃんと見ろよ、
と(^^;)。

セドリックの身体能力の高さ“驚異”のレベル。昔こういう選手が居たなぁ、と感
じながら見ていたのだが、すぐに気付いた。難易度の高い空中技こそやらないが、
雰囲気はデビュー2〜3年頃の飯伏にソックリ。そりゃあ、面白い試合の筈である。

期待に違わぬ大熱戦となったが、最後はキャリアとパワーに勝る飯伏高速ジャー
マン→ラストライドという黄金フィニッシュを決め激勝。しかし、負けたセドリック
もここで消えてしまうのがあまりに惜しい選手なのだが・・・。

なんと、退場するセドリックに大歓声。「Please sign Cedric(セドリックと契約
せよ!)」のチャントが鳴り止まず、ゲートにHHHが出迎えに来る程。
極く近い将来、NXTのリングでファイトするセドリックの姿が見られそう。

・・・まずは元新日本勢が順当にベスト8進出。ここから先は誰と誰が闘っても興味深
い組み合わせばかり・・・と思ったら、ホーホー・ルンの試合があったか(^^;)。ソレ
以外はきっとどれもこれも面白い気がする。次回に注目!

 

SUPER J-CUP 2016・一回戦

2009年以来7年振りの開催となる「SUPER J-CUP」
22年前獣神サンダー・ライガーが提唱したジュニアトーナメントで、
規模の大小を問わずにいろいろな団体の選手が参加する大会。久々の復活
だが、今回もメンバーはバラエティに富んだ16名。昨夜後楽園ホールで行
われた一回戦をNJPW Worldでチェックしたので、1試合ずつ。

▼マット・サイダル(ROH)vs 梶トマト(KAIENTAI-DOJO)

注目はK-DOJOのトマト。あのマットと空中戦で互角に渡り合いっただけで
も凄いのに、試合中に「笑顔を絶やさない」というキャラクターを崩さず。
K-DOJOってある意味こういう才能の宝庫なんだけど、どうして目立たない
のかなぁ・・・。トマトの今後に注目。

○マット【エア・サイダル】トマト×

▼グルクンマスク(琉球ドラゴン)vs 拳王(NOAH)

グルクンが凄く良かった!拳王は誰もが認める実力者だが、その強打者を向
こうに回して真っ向から打撃で渡り合うグルクン。決して体格に恵まれている
ワケでは無いのだが、一発一発に魂を込める闘い方はケレン味がなく、必死な
姿を見ているとつい応援したくなる。最後は拳王の一撃に屈したが、アッパレ
な試合でした。沖縄行ったら絶対行こう。琉球ドラゴンプロレス!

○拳王【羅喉→体固め】グルクン×

▼青柳優馬(全日本)vs タイチ(鈴木軍)

全日本プロレスから参戦の青柳は参加者の中でただ一人「格落ち」な選手。
長身でルックスも良く、将来性は確かに凄いモノがあるのだが、残念ながら
まだこの舞台に立つレベルでは無かったかも。いつものように自分の世界を
展開したタイチ完勝

○タイチ【ラストライド】青柳×

▼獣神サンダー・ライガー(新日本)vs Eita(DRAGONGATE)

いわゆる「J-CUPらしい」試合。もはや「生ける伝説」となったライガー
奇襲攻撃をかけるEitaの姿は、実況が絶叫したように「あの日のハヤブサ」
を思い起こさせる動き。全てを出させた上で叩き潰したライガーも、あの日
と全く変わらない姿だった。満足!

○ライガー【垂直落下式ブレーンバスター→体固め】Eita×

▼ティタン(CMLL)vs ウィル・オスプレイ(新日本・CHAOS)

何かと話題のオスプレイが、同じタイプのルチャ戦士・ティタンと対戦。
オスプレイワールドと言って良い世界の中での闘いではあったが、動きで
全く引けを取らなかったティタンの底力に舌を巻いた。出来ればドラダの
様に、ティタンも1年間新日本にレンタル移籍してくんないかなぁ・・・。

○オスプレイ【オスカッター→片エビ固め】ティタン×

▼BUSHI(新日本・LIJ)vs 金丸義信(鈴木軍)

新旧曲者対決。いやぁ、凄く良いカードだ、コレ。
二人ともやってることはかなり“悪いこと”なのに、声援はLIJBUSHI
集中。ただ、金丸相手にブーイングを引き出すくらいのことをしないと、
LIJ的には失敗なんじゃねぇかなぁ?と。そして、負けちゃうってのもなん
かなぁ(^^;)。いや、よい試合だったのは間違い無いのだけど。

○金丸【タッチアウト→片エビ固め】BUSHI×

▼田口隆祐(新日本)vs 原田大輔(NOAH)

・・・久々に、ひっさびさに、田口“強さ”が際だった試合。正直この試合は
原田が取ると思っていたのだが、原田のパワーファイトを真っ向から受け切
った田口が激勝。試合後にはこれまた久々にファンキーダンス。新日ファン
がいつも観たいのはこういう田口だと思うんだけどなぁ、マジで。

○田口【どどんスズスロウウン→片エビ固め】原田×

▼KUSHIDA(新日本)vs 石森太二(NOAH)

前半はメインイベントに相応しい重厚ゴツゴツした試合。面白かったの
はこの部分での2人の主導権の奪い合い。こういう試合をKUSHIDAと石森が
見事にこなしているところに時の流れを感じた。終盤はやはり白熱したタフ
マッチとなり、奥の手・ラ・ミスティカ式ホバーボードロックを見事に極め
たKUSHIDAの勝利。願わくば、トーナメント後半で観たかったな、この試合。

○KUSHIDA【ラ・ミスティカ式ホバーボードロック】石森×

・・・米国開催のCWCに全く負けない熱さ。元よりジュニア日本のお家芸
あり、ここだけはWWEに負けて欲しく無い。二回戦・準決勝・決勝は8.21
有明コロシアム。観に行っておこうかな、コレは。

G1 CLIMAX 26・開幕戦

新日本プロレス真夏の祭典、「G1 CLIMAX 26」札幌きたえーるで開幕。
初戦からメイン・セミでかなり重要な試合が組まれたため、いつもの通り
NJPW Worldで確認した。

▼Aブロック公式リーグ戦 棚橋弘至vsSANADA

これが復帰戦となる棚橋の動きがイマイチピリッとしない。
要所々々で棚橋らしい動きこそ魅せるモノの、スタンドの攻防に精彩が感じ
られない。LIJSANADAはそこそこ良い選手だとは思うが、このあたりに
圧倒される棚橋の姿、正直観たくなかった
結果、見事に大金星を取ったのはSANADA。棚橋の場合は開幕戦の負けって
良くあることなのだが、長丁場の今後に不安を残す内容。う〜ん・・・。

▼Aブロック公式リーグ戦 オカダ・カズチカvs丸藤正道

プロレスリングNOAHから丸藤が久々のG1参戦。オカダとのシングルはおそ
らくコレが初めてであり、やたら注目を集めた試合。
さすがにIWGP王者は強く、あの丸藤を何度も攻め込んだのだが、全ては丸藤
手の中。オカダに出せ尽くした上でキッチリ勝利を掴んだのだから恐れ入る。
やや余裕の表情を浮かべる丸藤に思わず拍手。しかし・・・。

・・・エース王者が揃って初戦を落とした。
特に棚橋の状況はやや深刻な気がする。考えてみれば、棚橋の長期欠場なんて
ずいぶん長いこと観なかった。コンディショニングでは他の追随を許さなかっ
た棚橋に、僕は無茶な思い入れを持っていたのかもしれない。

今年のG1、僕の優勝予想は棚橋一択だったのだが、初戦を観る限りそれは変更
しないといけないのかもしれない。

100年に1人の逸材の身体が、本当に心配だ・・・。

DOMINION 2016

新日本プロレス上半期の総決算、「DOMINION」大阪大会。
今回もNJPW WORLDでの観戦なのだが、6試合行われたタイトルマッチ
のうち、5つが移動する、という派手な展開。そして今回はメインでなく、
↓↓の2試合について。

▼NEVER無差別級選手権 永田裕志 vs 柴田勝頼


NEVERらしいゴツゴツした闘いだったのだが、永田と柴田の絡みには
これまでとちょっと違う“凄み”を強烈に感じた。
四天王プロレス的な極限の消耗戦ではなく、一撃必殺の間合いが何度も
やってくるヒリヒリするような試合。こういう試合を、僕と同年代の選手
がやっている、という事実が凄く嬉しい。

残念ながら柴田にリベンジを許したものの、男を上げたのは永田
新日本プロレスも時代の流れで変遷し、試合の雰囲気がどんどん今風
なっていくのを僕は否定しないし、それはそれですばらしい進化だと思う。
でも、大きな大会で1試合くらいはこういう新日本があるべき。
大玉砕した永田の姿を見て、心からそう思った。

▼IWGPインターコンチネンタル選手権 ケニー・オメガvsマイケル・エルガン


そしてこちらは今風極右に位置する試合。
天井にベルトをぶらさげ、ラダー(脚立)を使用して先にベルトを奪った
方が勝ちになるルール。新日本でこの形式の試合が行われたのはきっと初め
てだと思うのだが、これまで見たどのラダーマッチよりもスリリングだった。

そして勝者は人気者・エルガン
怪力フィジカルの強さは特筆モノであり、ケニーの破天荒な攻めを凌ぎきっ
ての大勝利。バレットクラブのセコンドに手錠で繋がれた時はさすがに終わっ
たと思ったのだが、まさか手錠を引きちぎって勝つとは・・・。
思わず“Holy Shit”と叫んでました。見事です、この試合。

しかし、棚橋・中邑・AJ3本柱を欠きながら、大阪城ホール満員にするの
だから新日本も凄い。その功労者・内藤がタイトルを落としたメインについて
はどこかで書くつもりだけど、アンダーカードで雰囲気の全く違う名勝負が生
まれてしまうのが新日本の新日本たる由縁。
・・・一人勝ちはしばらく続きそうである。

モハメド・アリ 緊急追悼番組

「モハメド・アリ 緊急追悼番組 蘇る伝説の死闘緊 猪木vsアリ」本日放映。
あの伝説の一戦アントニオ猪木本人コメンタリーを入れる、という構成
が発表された段階で狂喜していたのだが、それどころでは無い番組だった。

総尺は2時間強
前半30分のモハメド・アリの半生はもちろん見応え充分。ボクシングの試合
リストン戦・フレイジャー戦・フォアマン戦と押さえるべきモノは全て押
さえてあり、ボクシングファンもアリの偉大さが再確認出来る構成。更には
ハドソン川メダル投げ捨て事件徴兵拒否の顛末なども詳細が描かれており、
この段階で既にウルウルしていたのだが・・・。


格闘技世界一決定戦・アントニオ猪木vsモハメド・アリノーカット放送
残りの時間は全てこの試合の放送に費やされた。そして、試合中の2人や
セコンドの声をテロップ化し、伝説の一戦を「解析」。この構成、あま
りに凄い

猪木vsアリはもう何度も観ているのだが、このオンエアほど息が苦しくなっ
ことは無い。猪木がギリギリだったのはこれまでの猪木のインタビュー等
のコメントでよく解っていたのだが、アリもきっとギリギリだった。エキシ
ビションマッチをやるつもりで来日したのに、まさかの真剣勝負。それも、
何をしでかすか解らない男と相対しているのだから、当然のことである。

晩年、アリはUFCの関係者に対し、「MMAの元祖はオレなんだぜ!」と得意
気に語ったという。確かにあの時代にこんな試合をされてしまったら、今の
MMAファイターたちはきっと言葉を無くす。

アリ・ザ・グレイテスト
あと何年経とうが、モハメド・アリを超えるボクサーは多分出てこない。
アントニオ猪木を超えるプロレスラーが出てこないように。

こんな凄い特番を組んでくれたテレビ朝日に感謝。
この番組のおかげで、僕はまだ少し生きていける気がする。