よみがえるケイブンシャの大百科

▼よみがえるケイブンシャの大百科 / 黒沢哲哉(編著)

久々に購入したネタ系の本。
我々の年代であれば、誰もが10冊以上は所持した覚えがあるだろう。
あのケイブンシャ大百科シリーズを特集した単行本である。

収録されている大百科は昭和期に発売されたNo.1「全怪獣怪人大百科」から
No.350(!)の「仮面ライダーBLACK RX大百科」まで。
ナンバーが350だから350冊、というワケではなく、上の全怪獣怪人とか
「プロ野球大百科」等の人気企画は年度更新されているため、合計で何冊に
なるか解らないのが凄い。

基本はナンバーシリーズ全冊の表紙のみを掲載したカタログ形式の本なのだが、
「世界の怪獣大百科」とか「忍者・忍法大百科」「プロレス大百科Part2」
あたりの、間違い無く持ってた覚えのある本に詳細解説が付いてたのが良。
いや、懐かしいや、コレは。

とにかく編者の大百科シリーズに対するに溢れた書籍で、ずら〜っと並ぶ
表紙を見ているだけでヘンな笑みが溢れてくる(^^;)。そうなってくるとだ、
今からこの大百科シリーズをコンプリートしたい!とか思っちゃうから厄介。
Amazonでちょっと調べたら、また微妙な価格で入手出来そうなモノ多々(^^;)。
コレはマジでヤバい(^^;)。絶対に手を出さないよう、自制しなければ(^^;)。

ちなみに続編として平成期発売分を特集した完結編もある模様。
・・・こっちは特に読む必要無いな、この頃には大百科買ってないから(^^;)。
そしてケイブンシャって倒産してたのね・・・。全然知らなかった、うん。

主婦病

▼主婦病 / 森美樹

ドロドロ系が読みたくて、タイトルだけで買った本。
森美樹という作家はもちろん初めて。これまでは少女小説の分野で活躍してた人
らしい。・・・ってことは、絶対に接点の無い作家さんだな、本来は(^^;)。

ものすごくかんたんに言うと、「間違っちゃった主婦」たちがたくさん登場
する連作短編集。舞台はどうやら同じ街・同じ界隈。各話に意味深に登場して
くる象徴的な統一キャラクターも存在し、タイムラインだけが微妙に前後する。
構成的には非常に面白いのだが・・・。

なんというか、文章の流れが淡泊すぎる気が。
それなりにグロく、それなりにエロく、それなりにドロドロな世界が描かれて
いるのは間違い無いのだが、あまりに淡々と事が進むため、ドロッとした部分や
艶めかしい部分が強烈な印象として残らない。そういうところがちょっと残念。

まぁ、真梨幸子とか湊かなえあたりの劇薬にあまりに慣れすぎたこちらの所為
かもしれない。おおよそのドロドロ系はこんな感じなんだろうなぁ、きっと。

指先の戦慄

▼指先の戦慄 / 新津きよみ(Kindle版)

新津きよみの短編集。
いわゆるホラー系のお話が10篇収録されているのだが・・・。

全ての話に共通している切り口は「男女のドロドロ」
以前読んだ他の作品もこの流れが見られ、個人的には大好物な筈。
しかし、その部分があまりに妖し過ぎ、クライマックスの怖い部分若干霞む
という構成がちょっとだけ残念。

また、どの話もアイデアとストーリーの流れは凄く良いし、端々で感じる艶め
かしい程のエロも魅力的。であるが故に「もう2ページ書き込んで欲しい」
という欲求が全話から感じられてしまう。

もちろん、アダルトで読みやすいホラー短編集、としてはかなりイイ線行って
いる、とは思う。ただ、新津きよみという作家に初めて触れる人は、この作品
だけ読むと安易な評価をしてしまうかもしれない。

まずは「フルコースな女たち」あたりを読んでから、コレを読むといいかも。
才能は凄くある作家さんだと思うので。