「むすびや」を読み終わった後に、Kindleのリコメンドに出てきた作品。
タイトルからして暖かい系が容易に想像出来る。アマゾンのリコメンド
システムって、本当に優秀だと思う(^^)。
そんなワケで、「本日は、お日柄もよく」でブレイクした原田マハ作品
に初トライ。本来苦手なウォーミングヒューマンドラマなのは明白だっ
たのだけど、連作短編ならなんとか読み切れる、と踏んでのチョイス。
・・・有り体に言えば、予想通りの読後感。
全6篇はどれも中高年に差し掛かかりつつある女性の心情を中心に描か
れたもので、どこかでハッとするような優しさが一瞬に広がるタイプの
ジワジワ系。全体のトーンは決して明るくは無いのだが、最後には少し
先の方にちょっと灯りが漏れている、という感じ。状況も舞台も様々な
のだけど、見事な統一感のある構成はすばらしいと思う。
ただ・・・。
この作品に出てくる女性たち、ほぼ僕と同年代なのだと思うのだが、こ
れがあまりにリアル(^^;)。どうしたワケか今の僕にはその状況が少し
だけ重い気がした。まぁ、それは“難癖”のレベルであり、同じ年代の人
が読んだらきっと違う感想を持つと思うのだけど・・・。
総合的には決してキライでは無い世界。
事前のイメージとはちょっと違うスタイルの文章だったけど、凄くセン
スのいい女流作家であることは認める。何かの折に、話題作の方も読ん
どいた方がいいような気がするなぁ・・・。