誉田哲也・増山超能力師シリーズ第二弾。
第一弾を読んだのが2013年だから、実に4年振りの新作。その時のレビュ
ーを読み返すと、「今後に含みを残した・・・」的な記述があったりしたのだ
が、その伏線は完璧に忘れてました(^^;)。さすがに4年空いちゃうとねぇ・・・。
しかし、初作はファンタジックコメディという印象だったのだけど、今作
はソレとは比べものにならないくらい重い展開。体裁も連作短編では無く、
長編の形式で進むため、ファニーな描写も単純に楽しめなくなっているの
がやや難。ただ・・・。
読後感は氏の姫川シリーズやジウシリーズを読了した後に酷似。
楽しげな台詞回しに加え、「超能力」という破天荒なネタを扱ったファン
タジーである筈なのに、妙なリアリティが全編に漂う。意図的に最後まで
ハッキリさせなかった黒幕の正体があまりに恐ろしく、最後には思わず身
震いしてしまった程。
このシリーズ、もしかしたら僕の思っていたモノとは違う展開で、氏の
代表作になっていく可能性アリ。読み応えはタップリでした!
しかし、だ(^^;)。
TVドラマ版で主役の増山を演じたのがココリコ・田中直樹。彼の印象が
思ったより強かったので、今回は増山=田中のイメージで読んでしまった
のだが、今後ハードボイルド化した場合はやや厳しいかも。いや、田中の
ハードボイルドってのもアリなのかなぁ??