SUPER J-CUP 2016・優勝決定戦

7月に後楽園ホールで一回戦が行われた「SUPER J-CUP」
準々決勝から決勝までは昨日、有明コロシアムで行われたのだが、残念なが
ら仕事で観戦することが出来ず。ちょっと観に行きたい大会だったのだが・・・。
取り敢えず、いつものようにNJPW WORLDでチェック。
今回はトーナメントのみレビュー。

準々決勝:

▼獣神サンダーライガー(新日本)vs タイチ(鈴木軍)

・・・NOAHや鈴木軍興行で見られるタイチの姑息さは決してキライでは無い。
セコンド乱入・急所打ち等の反則を駆使するスタイルも、通常の試合なら全く
問題無いのだが、J-CUPでコレをやる、ってのはさすがにちょっと(^^;)。
いつものスタイルを貫いた、と褒めるワケにはいかないな・・・。

○タイチ【リングアウト】ライガー×

▼KUSHIDA(新日本)vs 拳王(NOAH)

この試合、わりと期待していた組み合わせ。日本拳法vs高田道場という見方
もあるし、拳王底力が発揮される試合になると思っていたのだが、残念な
がらそういう展開にならず。というか、KUSHIDAが普通に強いや、マジで。
まさかの拳王完封負け。そこまで実力差あったのか・・・。

○KUSHIDA【腕ひしぎ逆十字固め】拳王×

▼田口隆祐(新日本)vs 金丸義信(鈴木軍)

曲者対決。試合前は「真面目に行く」と豪語した田口だが、普段と変わらな
い動きで逆に観客を沸かせるGHCジュニア王者・金丸臨機応変さもさす
がで、コミカルな田口の動きにキッチリ対応。反則も交えながらだが、しっ
かり実力者ぶりをアピールしたのがタイチと違うところ(^^;)。

○ 金丸【タッチアウト→体固め】田口×

▼ウィル・オスプレイ(新日本・CHAOS)vs マット・サイダル(ROH)

凄い勢いで伸びて来たオスプレイに対し、マットの評価はやや落ち着いた感。
これを払拭するにたる、すばらしい試合だった。
考えてみれば、マットはドラゲーであのリコシェと評価を二分した程の選手。
相手の技を受ける技術にも長け、さらに跳び技も華麗。正しい評価を勝ち得
た、と言って良いと思う。マット、WWEなんか行かなきゃ良かったのに(^^;)。

○ サイダル【エア・サイダル】オスプレイ×

準決勝:

▼KUSHIDA(新日本)vs タイチ(鈴木軍)

タイチの2試合目を見て、失敗を実感。残念ながらJ-CUPのお客さんは絶対に
コレを望んでいなかった(^^;)。あまり語るべきところは無く、タイチの小狡
い攻撃をなんとか凌いだKUSHIDAの順当勝ち。株下げちゃったな、タイチ・・・。

○ KUSHIDA【小包固め】タイチ×

▼金丸義信(鈴木軍)vs マット・サイダル(ROH)

金丸懐の深さを魅せ付けた試合。マットの攻めはダテでは無く、何度も
勝利寸前まで行くのだが、その度に金丸はノラリクラリな戦法でダメージを
絶妙に逃がす。ハーリー・レイスジュニア版、と言ったら解りやすいか?
終わってみれば金丸完勝の印象。やっぱ凄いな、この人は。

決勝:

▼KUSHIDA(新日本)vs 金丸義信(鈴木軍)

決勝は奇しくもIWGPジュニア王者vsGHCジュニア王者というマッチアップ。
ここでなんとKUSHIDA受けに回り、金丸の猛攻を凌ぐスタイルに終始した。
つまり、金丸よりクッシーの方が王者らしく見える展開。あのKUSHIDAが、
まさか金丸をコントロール出来るくらい上手くなるとは、正直思わなかった。
最後はホバーボードロックがカッチリ決まり、KUSHIDAの勝利。

○ KUSHIDA【ホバーボードロック】金丸×
※KUSHIDAが優勝

本当はトーナメント枠外で組まれたスペシャルマッチにも触れたかったのだが、
さすがにその物量を処理する自信無し(^^;)。
ただ、特別なイベントであるJ-CUPの決勝興行としては、内容にやや不安が残っ
たかも。やっぱり今回はタイチでなくてデスペの方が良かった気がするなぁ・・・。

一回戦ではCWCを蹴散らせそうな勢いを感じていただけに、ちょっと残念。
やっぱタイチがなぁ・・・。

SHINSUKE GET THE NXT TITLE!

NXT TAKE OVER BROOKLYN II
WWEサマースラム前日に行われたNXTブランドのビッグマッチ、メインの
NXT選手権。王者のサモア・ジョーに挑戦したのは中邑真輔。結果は・・・。

真輔は当然のように王者のサモア・ジョーに勝利。
もちろん相手はあのジョー。苦しい試合だったのは間違い無く、カウンター
のニーからキン肉バスターが決まった場面では、真輔の負けを覚悟した。


しかし、日本の試合と同じように相手のフィニッシャーをなんとかキックア
ウトした真輔は、キンシャサの三連発で逆転。あのジョーから完全勝利を奪
ってしまった。

日本人初のNXT王者
試合後、ベルトを肩に勝ち誇る真輔の姿を見ていたら、あんなに強かった筈
の前王者を一瞬忘れた。つまりは、プロレスラーとしてのが、完全にジョー
より真輔の方が上だった、ということ。

会場の9割が真輔を支持。
テーマ曲の「Rising Sun」大合唱は途切れることなく、勝利の瞬間会場は
大爆発。現在の中邑真輔人気が、けっして一過性のモノで無いことを雄弁に
物語っていた。

正直、メチャクチャ嬉しい
でも、中邑真輔にはまだがある。NXTは通過点でなくてはならず、本命の
WWE王座、もしくはWWEユニバーサル王座を奪い、世界最大の団体でトッ
プを取る必要がある。

しばらくはNXT王者としての試合が続くと思うが、早い内にRAWSDへ。
日本の誇るKing of Strong Styleであれば、必ず王者になれると信じている
ので。

・・・でも、やっぱりすげぇ嬉しい!
オリンピックの金メダルと同等かそれ以上の価値があるな、この勝利は。

CWC #06

「WWE CRUISERWEIGHT CLASSIC」6週目
トーナメント二回戦が今週は3試合放送された。一回戦で実力不足を露呈しな
がらも勝ち上がってしまった「あの男」が登場(^^;)。
今回もオンエア順にレビュー。

▼ 〇戸澤陽(原爆固め)ジャック・ギャラガー×

ドラゴンゲート戸澤と、ZERO1に出ていたジャック・ギャラガーの二回戦。
一回戦の内容でいきなり人気者になったジャック出世試合となった。

二人ともジャパニーズスタイルを熟知しているが故に、試合展開の工夫が見事。
特にジャックの摩訶不思議なグラウンドは観客を魅了しまくり、場内からずっと
「Jack in the Box!(お前はびっくり箱だ!)」のチャントが鳴り止まない。
戸澤の受けも非常に良く、ジャックの良さが際立つ展開に終始。

・・・なんと、ミラノコレクションA.Tの得意技、パラダイスロックまで。
こんな技を魅せられたら、そりゃあ観客はたまんないと思う。そして、技以外の
ムーブでイヤミな英国紳士を気取り続ける徹底ぶりも凄い。

試合は攻めるだけ攻めさせた戸澤が説得力満点のジャーマンを強引に決め逆転勝利
しかし、この試合でジャックは完璧に自分をプレゼンテーション契約するなぁ、
きっと。

▼ 〇ノーム・ダー(膝固め)ホーホー・ルン×

CWCにノミネートした32名のうち、「おそらく最低」とされている問題児、香港の
ホーホー・ルンがスコットランドのノーム・ダーと二回戦(^^;)。双方共に一回戦の
評判はすこぶる悪い(^^;)のだが、ルンとダーの実力差天と地ほどある。それが
結果に顕著に出た試合。

・・・スナップメイヤーもロクに出来ず、ドロップキックすらままならないルン(^^;)。
実力を見抜いた客が途中で明らかに飽きており、全員でダースベイダーのテーマ
合唱する始末。結局ダーがショーンキャプチャー式の膝固めで勝利。予想したこと
とはいえ、やっぱりつまらなかった(^^;)・・・。

▼ 〇ブライアン・ケンドリック(フェイスロック)トニー・ニース×

ベテランケンドリックが売り出し中の若手、トニー・ニースと闘った二回戦が
今日のメインイベント。ニースの肉体の充実度と、ケンドリックのやさぐれ感が
絶妙に対比した好勝負となる。

ニースは今風立体的なパワーファイトを展開。フィジカルの良さと天性の勘に
関しては、先週のセドリック・アレキサンダーとかリッチ・スワンなどに全く劣
らない。あのケンドリックを相手に試合の殆どを支配したのだから凄い。

しかし、最後はケンドリックのフェイスロックがガッチリ決まり、ニースのタップ
アウト負け。さすがにベテラン、ここぞという時のインサイドワークはお見事。
ケンドリックはこれで準々決勝進出。次の対戦相手は・・・飯伏幸太である。

・・・といった内容で、二回戦8試合のうち5試合分のオンエアが完了。
来週もどうやら三本立てらしく、リッチ・スワンやザック・セイバーJr.が登場。
そして、ジョニー・ガルガノvsTJパーキンスという見逃せない試合も・・・。

やっぱり楽しいな、CWC♪ 残りはあと4週!

G1 CLIMAX 26・優勝決定戦

新日本プロレス真夏の祭典「G1 CLIMAX 26」両国国技館にて最終戦
今年は特に流れを追って来なかったのだが、終盤でかなり波乱な展開となる。
誰も予想しなかった優勝決定戦。残ったのはこの二人。


決勝戦:【Aブロック1位】後藤洋央紀 vs ケニー・オメガ【Bブロック1位】

・・・このカードが新日本の真夏の回答
中邑の抜けた穴を上半期で内藤が見事に塞いだのは周知の事実だが、AJの穴
誰が埋めるのか?がポイント。G1優勝=年頭までの主役という構図が明ら
かな以上、この試合の勝者がその位置に立つ筈。両者共に負けられない一戦。

しかし、残念ながら後藤はいつもの後藤のままだった。
確かに試合は白熱するのだが、後藤の試合は何故だか心に響くモノが無い。
彼に内藤くらいの自覚があれば、もう少しなんとかなった気がするのだが・・・。



そんな後藤を相手に、この試合中だけで物語を創ったケニーは見事と言うしか
無い。終盤のシットダウン式ラストライド→フェニックススプラッシュ(飯伏
のフィニッシュ)からブラディ・サンデー(デヴィットのフィニッシュ)、更
にはスタイルズ・クラッシュ(AJのフィニッシュ)を続けざまに見舞った姿に
は感動すら覚えた。正直、少し涙が出た程。

最後の最後は自らの必殺技、片翼の天使をズバリと決め、堂々の勝利。
説得力満点のフィニッシュで両国は大爆発した。

G1の歴史上、初の外国人王者という栄冠を勝ち取ると共に、名実共に新日本
エースの一画にのし上がったケニー。カナダのインディー団体から成り上が
、新日本のメインで勝利するまでになった。そう考えると・・・。

そして、G1終了後の新日本は来年1月4日の東京ドーム大会を軸にシリーズが
進んで行く。順当に行けばオカダvsケニーIWGP戦がメインとなるのだが、
果たしてこのまま行くかどうか・・・。棚橋・内藤の動きも含めて要注目。混沌
とするんだろうなぁ、きっと。

CWC #05

「WWE CRUISERWEIGHT CLASSIC」5週目よりトーナメント二回戦へ。
今週から1エピソード4試合ではなく、試合時間によって構成が変わる模様。
2nd Roundの一発目は、日本勢の試合が2試合。今日はオンエア順にレビュー。

▼ 〇グラン・メタリック(ドラダスクリュードライバー)TAJIRI×


“ザ・ジャパニーズ・ルチャ”
と形容するのがいちばん良いと思う。
共にジャパニーズスタイルルチャリブレの両方をベースに持っているため、歯車
のカッチリ合ったスイングする闘いに終始。米国のファンには新鮮だったのでは?

WWEマットでの経験が豊富なTAJIRIが試合の主導権を握る。
しかし、グラウンドの攻防でもしっかりTAJIRIに付いていくドラダ(メタリック)
の実力もかなりのモノ。新日本への1年間の移籍は無駄ではなかった!!

最後は得意技のドラダスクリュードライバーを決めたドラダの快勝
負けたTAJIRIも相当納得が行ったのであろう、試合後には満足そうな表情を魅せて
くれたのが印象的。ドラダは見事にベスト8へコマを進める!!

▼ 〇飯伏幸太(シットダウン式ラストライド)セドリック・アレキサンダー×

両者の一回戦の試合内容から、二回戦屈指の好カードと目されたマッチアップ。
とにかく元ROHセドリックの動きが単純に“凄い”。日本の団体はどうして今まで
この選手に触手を伸ばさなかったのか、本当に不思議。っつーか、ちゃんと見ろよ、
と(^^;)。

セドリックの身体能力の高さ“驚異”のレベル。昔こういう選手が居たなぁ、と感
じながら見ていたのだが、すぐに気付いた。難易度の高い空中技こそやらないが、
雰囲気はデビュー2〜3年頃の飯伏にソックリ。そりゃあ、面白い試合の筈である。

期待に違わぬ大熱戦となったが、最後はキャリアとパワーに勝る飯伏高速ジャー
マン→ラストライドという黄金フィニッシュを決め激勝。しかし、負けたセドリック
もここで消えてしまうのがあまりに惜しい選手なのだが・・・。

なんと、退場するセドリックに大歓声。「Please sign Cedric(セドリックと契約
せよ!)」のチャントが鳴り止まず、ゲートにHHHが出迎えに来る程。
極く近い将来、NXTのリングでファイトするセドリックの姿が見られそう。

・・・まずは元新日本勢が順当にベスト8進出。ここから先は誰と誰が闘っても興味深
い組み合わせばかり・・・と思ったら、ホーホー・ルンの試合があったか(^^;)。ソレ
以外はきっとどれもこれも面白い気がする。次回に注目!