お電話かわりました名探偵です 復讐のジングル・ベル

#変則安楽椅子探偵


お電話かわりました名探偵です 復讐のジングル・ベル / 佐藤青南(Kindle版)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佐藤青南お電話かわりました名探偵ですシリーズ第3弾
このシリーズのことは失礼ながら失念しており、新作が出たことを知らなかっ
たのだが、運の良いことにUnlimitedで登場。しっかり読ませていただいた。

110番通報に対応する通信指令センターオペレーターを担当する“イケボ”
童貞早乙女廉くんが主人公。ミステリーの登場人物を「くん付け」すること
は無いのだが、この人の良い意味での矮小さは、シリーズ3作を通して全く変わ
らず(^^;)。じれったさの極地みたいな性格で、最初は本当に嫌いだった(^^;)。
ただ、ここまで徹底されると一周回って可愛く見えて来ちゃうのだから不思議。

そしてその先輩、“万里眼”こと君野いぶき女史は相変わらずの名探偵
通報電話の応対だけで事件の真相を見抜いてしまう、という能力はかなり凄い
のだが、今回は結果に至るまでのプロセスがやや粗かった気が。それでも納得
は出来るので、大きな問題では無いのだけど。

そして前作から問題になっていた二人の恋愛問題に関しては、一応一歩前進
とはいえ、基本はまだダメダメ(^^;)なので、この件は今後に期待。
シリーズとして充分楽しめるな、この作品。

Borsalino

#今週のワンピ


先週号でエッグヘッドでの伏線がほぼ回収されたジャンプ『ONE PIECE』
ルフィがニカからの復帰で老人状態であったモノの、まで描かれたから、
今回は繋ぎの『世界情勢描写』になるかと思っていた。だが!!!

以下、単行本派・アニメ派の人たちはネタバレ注意!

・・・ちゃんとした『エッグヘッド編・最終回』だった。
言われてみれば闘いが終わった後の宴にルフィがほぼ不参加、というのは
絶対にオカシイし、船に乗せて来たベガパンク・リリスをそのままにして
次に進むことは出来ないに決まっている。この構成は納得しかない。

そして、久々にたった一コマ涙腺が崩壊してしまった海軍大将・黄猿こと、
ボルサリーノ怒りの叫び。どんな場面でも常に飄々とし、心を乱すことの
無かった「最強の敵」の一人だった黄猿が、涙を流しながら叫ぶ姿に、完全
に圧倒されてしまった。

・・・こういうのを見てしまうと、日本のマンガのクオリティを改めて認識して
しまう。こんな「絵」を出されたら、どんなにおもしろい小説でも絶対に叶わ
ない。ワンピース、すげぇよ、やっぱり。

Good-bye, EGG HEAD

#今週のワンピ


お盆明け、合併号を経てようやく連載が再開されたジャンプ『ONE PIECE』
既にクライマックスを終えた状態エッグヘッド編だが、合点のいかない点
も幾つか。コレを残したまま進むのか、と思いきや・・・。

以下、単行本派・アニメ派の人たちはネタバレ注意!

当然、ワケが解らなかったのが『時系列』ベガパンク伝説のオンエアは、
いつ・どこで・どのように撮影されたモノなのか?最大の謎だったのだが、
この辻褄は後で合わせてくる、と思っていた。
さすがの尾田栄一郎でも、コレをアジャストするのは至難の業かと・・・。

・・・すげぇ
今週のこの一話で、全てがサクッと腑に落ちる展開Dr.ベガパンク
付く天才だが、尾田栄一郎その上を行く、と改めて思い知った。なんと言
っても、納得のいかない説明が一切無いのだから

あの無能老害共が未だ生きていることは、まぁ納得いかない(^^;)が、一味
全員とボニー、そしてリリスは無事。コレは大勝利だよね、きっと。

とにかくありがとう、エッグヘッド!ワンピ史上、いちばん読むのが辛い
場面もあったけど、コレが無ければきっと“最終章”は台無しになったと思う。
次の島は遂にあの巨人の国か・・・。

転スラ日記(7)

#異質な重さ


転スラ日記(7)/ 伏瀬(原作)・柴(作画)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アニメからハマり、コミックから小説まで細かく読み込むようになった
「転生したらスライムだった件」。で、スピンオフ作品もチョイチョイ読む
ようになったのだが、その中でも安心してホッコリ気分で読むことが出来た
のが魔国・テンペストで暮らす人々の日常を描いた「転スラ日記」。しかし、
最新の7巻が・・・。

場面的にはファルムス王国の侵攻を受け、シオン・ゴブゾウらが一時的に命
を落とし、リムルが完全にブチ切れそうになるところ。本編でも泣きそうに
なるシーンが多々あったのだが、普段ほのぼの展開の転スラ日記でいきなり
シリアスな展開をぶちこまれちゃったモンだから、相当面食らった。

そして、まぁ泣けること泣けること(^^;)。大きく印象に残ったのは2つで、
1つは仲間の死を眼前にして怒りに震えるゲルドを、仲の良いホブゴブリン
の女の子が初めて声を発して諫めたシーン。そしてもう一つは、ランガ
普段けして仲が良いとは言えないシオンの死を愁うシーン。特に最初の方
は、ヤバいくらいに涙が溢れてしまった。

・・・スピンオフにまでハマるのはさすがにヤバイかも(^^;)。
出来るだけ手を広げないように注意しとかないと(^^;)。

ラスト・ヴォイス

#エンマ様


ラスト・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻 / 佐藤青南(Kindle版)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佐藤青南行動心理捜査官・楯岡絵麻シリーズ第10弾にして最終刊
このシリーズに出会ったのが2012年だから、かれこれ12年続いた大作、と
いうことに。もちろん、あのラスボスとの決着も・・・。

前作で“エンマ様”こと楯岡絵麻の部下・西野の恋人宅に放火したのは、死刑
囚のサイコパス・楠木ゆりかだと判明。獄中からどのような手を使って刺客
を差し向けたのか探るエンマ様だったが、捜査は困難を極める状況に。そん
な中、捜査一課の同僚・筒井の娘が何者かに襲われる、という事件が。楠木
の関与を疑ったエンマ様は・・・という展開。

すっかり身内と化した楯岡&西野コンビと、筒井・綿貫コンビ。時間を掛け
「絆」を描き、敵の最終攻撃がこの絆の破壊、という展開、ベタだが非常
燃えた(^^;)。そういうワケで読後の痛快感・爽快感はすばらしく、最終刊
に相応しい流れ・・・ではあったのだが・・・。

正直、今回に関してはトリックの作り方にかなり無理があった気が。
納得出来ないワケでは無いが、感心してしまう内容のトリックが一つも無か
ったのが非常に残念。通常シリーズ内の一作であればまぁ問題は無いが、こ
れを「ラスト」と考えると、正直消化不良感が残ってしまう。

・・・無理に終わることは無いんじゃないかなぁ、と(^^;)。
楠木ゆりかの死刑執行や、エンマ様の恋愛模様など、最後に確認したかった
場面も幾つか残っている。スピンオフで構わないから、後日談の形式でリリ
ースして貰えると非常に嬉しい。

取り敢えず、本編終了お疲れ様でした!
読み応えタップリのシリーズを与えてくれて、本当にありがとうございます。
願わくば、エンマ様を凌ぐキャラクターを配した新作を!早めに(^^;)。