螺旋プロジェクト

#SPIRAL #HELIX #RUMBLING SPIRES


伊坂幸太郎新作、「シーソーモンスター」を購入。
本来ならすぐに読み始めるところなのだが、読書開始を若干躊躇した。原因は、
本の間に挟み込まれていた四つ折りのフライヤー


・・・裏表をスキャンしてみた。つなぎ目に突っ込むのは無し(^^;)。
これによると、今回の伊坂作品は中央公論社・小説BOCで企画された8組9名
よる競作企画「螺旋プロジェクト」の一冊だとか。だとするなら、刊行順に読
んだ方がいいのかなぁ、と一瞬思った。

しかし、現段階で伊坂幸太郎以外にリリースされているのは朝井リョウ作品の
一冊のみ。伊坂幸太郎の本がそこにあるのに、他の作品を読むことはできない、
と判断し、とにかく今シーソーモンスターを読んでいるところ。

読み終わったら速攻で朝井リョウ「死にがいを求めて生きているの」を読む!
いいなぁ、こういう企画♪

 

思い出探偵

#捜し物はなんですか? #京都大原三千里


▼思い出探偵 / 鏑木蓮(Kindle版)

某所からの推薦図書
鏑木蓮という作家が全くピンと来なかったのでネットで著作を検索した
ところ、なんとなくでも知っている作品が一つも無し。こういう状況は
今やかえって珍しい。久々に新鮮な気持ちで読んでみた。

タイトルから容易に予測出来る通り、ミステリー作品である。
ただし、基本人は死なないし、これはあんまりだ、という残酷な展開
無い。それもそのはず、主人公の元刑事・実相浩二郎が探偵として取り
扱う案件は「思い出」。浮気調査や身辺調査ではなく、「思い出」に纏
わる人やモノを探す、という状況なので、もちろん派手な展開は皆無。
なのだが・・・。

なんとうか、非常に暖かいお話
仕事の性質上、長い年月を掘り返さなければならない事態が多く見られ、
その中にはもちろん重い事実もあったりするのだが、それを踏まえた上
で依頼人をハッピーにしよう、という誠実さが随所に感じられる。ハー
ドなミステリーも大好きだが、こういうしっとりした展開の作品も時に
は必要なのかも。不思議と心が洗われ、ひさびさにホンワカとした緩や
かな読後感を堪能した。

思い出探偵はシリーズ作品らしく、続編が数冊ある模様。心がくたびれ
た時、もしくはいつも読んでいるハード系の作品に疲れた時に読んでみ
よう、と思った。

しかし一つだけ、非常に苦手な部分が(^^;)。
舞台は京都であり、当然登場人物の何人かは京都弁を喋る。残念ながら
僕は文字で書かれた関西系の方言があまり好きでは無いらしく、会話の
部分で読書のテンポがちょっと狂ってしまったかも。
人が喋る京都弁は決してキライではないんだけどなぁ・・・。

プロレス界vs.別冊宝島

#宝島 #VOICE OF WONDERLAND


▼プロレス界vs.別冊宝島 スキャンダル15年戦争の全内幕 / 欠端大林

2003年から今に至るまで続いている別冊宝島プロレス暴露本
すれっからしのプロレスファンなら思わず手に取ってしまうムック
のだが、この単行本はそれらの総集編。単に抜粋・編集しただけでは
なく、解説を付加した上で独立した作品に仕上がっている。

このシリーズのターゲットは、前半が圧倒的に新日本プロレス後半
はその殆どがプロレスリング・ノア。おそらくココに書かれている事
はおおよそ「本当のこと」だが、団体運営側としては触れて欲しくな
い事だらけなハズ。そんな中で新日は劇的なV字回復を見せたのだが、
ノアに関しては思わず目を覆いたくなるような凋落ぶり。そうなった
原因の大きな部分が宝島の暴露本にあったような気がする。

新日本を心の拠り所としながらも、いつもしっかりした試合を展開す
るかつてのノアもちゃんとチェックしていた僕は、本来このシリーズ
悪意を感じて然るべきなのだが、何故だかそこまでの否定感は無い。
長年プロレスファンをやっていると、「知らなくても良いこと」を知
ってしまった時の対応が出来るようになったらしく、この手の本を読
んでもハナで笑う程度で、心が傷つくことはなくなった。逆に、自分
にちょっと面白いプロレス裏知識が付いていくことを喜ばしくさえ思
った。

でも、もう要らないかな、別冊宝島の情報は(^^;)。
最近はムックを購入することも無くなったし、裏事情を知りたい、と
いう欲求もほぼ無くなった。おそらく宝島もその辺りはビシビシ感じ
ており、だからこそ新機軸である「●●の真実」シリーズを中心に持
ってきている気が。

読むならそっちだな、やっぱり。
取り敢えず暴露ネタの集大成としては、立派な作品だと思う。
・・・二度と読み返すことは無いと思うけど(^^;)。

あさドラ!

#浦沢直樹がまたクソヤバいマンガを描いている件


▼あさドラ! / 浦沢直樹

↑↑、コンビニで偶然目にしたレトロなデザインの単行本
よくよく見てみれば、浦沢直樹作品。しかも「第1巻」と書いてある。
・・・速攻で購入した。

またもや感じた「なんだコレ?」というワクワクする感覚
この人の描く作品は、どうしてこんなにも人をトキメかせるんだろう、
と思わず感嘆してしまった。

舞台は終戦直後の名古屋?
だとしたら巻頭のカラーページには何の意味があるのか?・・・な感じで
いつもの通り、1巻はおおよそで「予告編」。従ってコレを読んだだけ
では物語の全貌が全く掴めないのだが、もう僕は今後の展開が気になっ
てしょうがない。予告編でここまで人の心を掴むマンガを描ける人って、
もうこの世にこの作家しか居ない気がする。

2巻だそーな(^^;)。
正直、そこまで待てる自信が全く無い。久しぶりにスピリッツを定期
購読しちゃおうかな?

NIAGARA CONCERT ’83

▼NIAGARA CONCERT ’83 / 大瀧詠一

・・・知らぬ間にとんでもない音源がリリースされていた。
1983年7月24日・西武球場。出演したのはラッツ&スター、サザンオー
ルスターズ、そして・・・大瀧詠一

ともかくぶったまげたのは、このコンサートの音源が「残っていた」こと。
大瀧詠一のライブ嫌いは本当に有名で、A LONG VACATION以降は数える
ほどしか人前に出ていない。ライブを行ったとしても、ソレのオンエアを
絶対に許さなかった、という頑なさ(^^;)。

そういうワケで、興味のあるアーティストのライブには片っ端から足を運
んでいた僕も、動く大瀧詠一の姿はたった一度しか観ていない。それも、
ソロ名義ではなく、たった一夜復活した伝説のバンド、はっぴいえんど
のパフォーマンス。つまり、このアルバムには僕の見逃した大瀧パフォー
マンスの殆どが入っている、ということ。

取り込んだ直後、ガマン出来ずに「サイダー〜君は天然色」のメドレーを
聴いてみたのだが、そこから聴こえてきたのは、他のレコーディング作品
全く遜色の無い大瀧詠一の声。レコードだろうがライブだろうが変わら
ねぇじゃねか、出し惜しみすんなよ(^^;)、とか思った。

でもきっと、本人にしか解らない不満な点が多々あるんだろうなぁ、と。
でなければ35年以上も眠らせる必要なんて無いもん、コレ。

もしかしたら、雲の上で大瀧さんは歯ぎしりして怒っているかも。
でも、僕らは凄く喜んでるよ、今。