山本美憂の「切なさ」

「RIZIN FIGHTING WORLD GP 2016」の録画を見た。
オンエアされた試合は全般的に激しいモノが多く、昨年大晦日や4月の大会に比べ
れば内容は上々。藤田完敗など、かなり悲しい場面もあったのだが、個人的
にいちばん切なかったのは↓↓この試合。

RENA vs 山本美憂
僕と同年代のかつての女王は、自分の娘でもおかしくない年齢の立ち技クィーン
に、完膚無き迄に叩きのめされた

山本ファミリーゴッドファーザー山本郁英の現役時代を僕は知らない。
だから、僕が最初に目撃した山本家の格闘家は、アマレス無敵を誇った美憂
あった。KIDの衝撃も凄かったが、全盛時の美憂はさらに凄いインパクト。まだ
競技人口がそれ程多く無かった女子レスリングでは、完全に「別格」な風格を醸
しだし、それでいてクールビューティーという言葉がしっくり来る色気。
山本美憂以上のスター性を持つ女子格闘家を、僕はいまだ知らない。

時代から見離されるにも程がある、と思う。
もうあと1大会前に女子レスリングが五輪種目になっていれば、金メダルを取っ
たのは絶対に山本美憂であった。総合格闘技に”女子”というジャンルが確立され
るのがもう10年早ければ、UFCの女子王者は山本美憂だったかもしれない。
なぜここまでタイミングが合わないんだろう・・・。

年齢的には難しいかもしれない。
でも、出来ることなら女王・山本美憂がリング上でガッツポーズを取る姿を、
一度でいいから見たい。相手は・・・RENAしか居ないでしょ、もう。
「神の娘」は、無冠であってはならないから。

イモトアヤコの地球7周半

▼イモトアヤコの地球7周半 / イモトアヤコ(Kindle版)

日本テレビ「イッテQ」“珍獣ハンター”ことイモトアヤコの著書。
通常この手のタレント本はほぼ購入しないのだが、あのイモトがどんな文章を
書くのかちょっと興味があり、なんとなく購入。Kindleストアでセールになっ
ていた、というのも大きな理由なんだけど(^^;)。

内容は「イモト流グローバル論」といった感じで、失礼を承知で言えば意外と
しっかりしている感。さすがに1年の2/3は海外に出てる人の書いてる本だけあ
り、全体的な説得力はかなりのモノ。それまでほぼ海外旅行をしていなかった
人が、ある日を境に世界各国での仕事を余儀なくされてしまったのだから、
彼女の国際感覚が鋭敏になって行くのは当然。紹介文に「ワールドサバイバル
術」とあるが、そのキャッチコピーに偽りは無い、と思う。

イモトの普段の仕事については、純粋に尊敬しているし、本当にすばらしいと
思う。彼女に憧れて海外に出たくなる若者がきっとたくさん居る筈だし、そう
いう人たちにとっては本当に役に立つ指南書になるハズ。特に要所々々で語ら
れるいくつかの「心構え」に関しては、正しく心して読んだ方がいい。

僕がもう少し若かったら、この本に触発されて海外を目指したかも。
そういう年齢の時に読みたかったな、本当のところは(^^;)。

奈良シリーズ完全終了!

9月に入ってから3往復した奈良での仕事、本日完全終了
中学の修学旅行以来となる奈良は、年を取って改めて見るとかなり魅力のある街
夜がかなり早く終わっちゃうのはちょっとアレなのだけど(^^;)。

奈良と言えばまずは鹿
確かにそこらじゅうに鹿が居るのだが、皆凄く人になついており、アタマなんか
かんたんに撫でられるフンにさえ注意すれば、鹿の居る光景は微笑ましい。

宿泊したホテルは興福寺・五重塔の近隣。当分の間は来れない気がするので、ちょ
っと階段を昇ってみた。さすがに見事な建築物。まぁ、有料だから中には入らなか
ったけど(^^;)。

今度はフラッと新幹線に乗って、近鉄に乗り換えて、プライベートで奈良に行きた
いなぁ、と。大仏ももう一度ちゃんと見たいし、行ってみたいカフェもある。
また一つ、好きな街が出来ました♪

作家刑事毒島

▼作家刑事毒島 / 中山七里(Kindle版)

中山七里作品。
氏のこれまでの作品、どちらかというと「本格ミステリ」の色合いが濃く、
僕自身もその手のエキスパート、という感じで読んでいたのだが、ちょっと
考えを改めなければならないかも。ハッキリ言おう、大問題作です、コレ(^^;)。

誤解を恐れずに言うのなら、文壇系ブラックユーモアミステリー
元警視庁捜査一課で現在は売れっ子ミステリー作家毒島が、古巣の捜査協力
依頼を受けて活躍する物語。この作品で起きる事件は全て文壇・出版が関係し
ており、被害者・容疑者のほぼ全員が作家かその関係者。卓越した推理力と、
作家ならではの嗅覚で事件は次々に解決していくのだが、この毒島が超の付く
皮肉屋(^^;)。全編が黒い笑いに溢れており、つられてこちらも苦笑してしまう。

ここまで読んでお解りの通り、内容は文壇及び出版業界を強烈に皮肉ったモノ。
読んだ人なら誰でも解るくらい明確にラノベ作家・新人作家・素人書評家・作
家志望者などをディスりまくっている。もちろん直球では無く、ある程度オブ
ラートで包んだような表現を多用してはいるのだが、それはあくまで形式的
モノ。中山七里にこういう「毒」があるとは、夢にも思いませんでした♪

無論、この手のブラック系は僕の大好物。何人もの人間がかなり悲惨な死に方
をするにもかかわらず、最後までニヤニヤしながら読了してしまったのだから
凄い。“裏・中山七里”の世界、堪能させていただきました!

・・・しかし、ちょっとだけ胸が痛んだのは“素人書評家”の出てくる件。
僕が読んでいても「痛いな、コイツ」と思うような行為なのだが、ちょっと考
えてみるとコレは僕が今まさに書いているコレであったりする(^^;)。
・・・自重しとこうかな、ちょっとだけ(^^;)。

こち亀の終焉によせて

「こちら葛飾区亀有公園前派出所」、通称“こち亀”が、先週土曜日に発売され
週刊少年ジャンプ最終回40年の間、一度の休載も無く続いた連載マンガ
が、遂に終焉を迎えた。

驚いたのは最終回に対する出版社の「演出」
ジャンプ本誌コミックス最終巻となる200巻を同時発売し、最終回の内容が
それぞれ違う、という、驚愕の仕掛けを施した。出版物としてはあまりに派手
既に国民的なマンガとなっているこち亀に対しての、集英社の「愛」を感じ、
思わずジ〜ンと来た。

ちなみにジャンプ本誌、そしてこの40周年記念特装版の200巻、双方共に軒並
売り切れ。僕は大手町駅構内の本屋でどうにか手に入れることが出来た。

最終回の内容については、多くを語る必要は無いと思う。
これまでのこち亀の在り方を考えれば、最後の回を無理に泣かせる必要は無い
し、物語にケリを付ける必要も無い。僕の考えでは、アレがベストだと思う。
あの終わり方ならば、あのメンバーがある日ひょっこり帰って来ても誰も文句
を言わないと思うので。

・・・ひとまず、ひとまず言わせて貰います。
秋本治先生、本当に40年間お疲れ様でした。もちろん休んで貰って全然構いま
せんが、今後こち亀を書きたくなるようなことがあれば、どの媒体でどんな長さ
でも構いません。書いてください
40年読んで来た我々は、普通にこち亀に再会出来ると信じているので。

▼40周年記念特装版・こち亀200巻 / 秋本治